2014年4月10日に発表された「VMware Horizon 6」は、ホスト型アプリケーションやマルチデバイス対応、Microsoft VDAライセンスを要しないServer-VDIなど、注目の機能が多数登場した。現時点では発表のみであるが、先行してレビューを行いたい。
VMwareは2013年2月、柔軟なワークスタイルを実現する包括的なプラットフォームとして「VMware Horizon Suite」(以下、Horizon Suite)をリリースした。そして、Horizon Suiteの1コンポーネントであり、本連載開始時に一番の主役として紹介する予定となっていた「VMware Horizon View」(以下、View)が2014年4月10日、「VMware Horizon 6」(以下、Horizon 6)の一部として提供されることとなった。本稿では、Horizon 6で強化された機能についても触れていきたい。
連載インデックス「徹底解説! VMware Horizon Suiteの世界」
昨今のIT環境は、めまぐるしく変化し複雑化している。多くのユーザーが複数のデバイスを所有し、個人的な利用にとどまらず、業務にも利用したいという声が上がっている。BYOD(Bring Your Own Device)と呼ばれる個人デバイスの業務利用は、ユーザーの生産性を向上させる半面、システム管理者にとってはデバイス管理の煩雑化や、会社のシステムに安全に接続させるためのセキュリティ課題があり、導入が進まない大きな要因となっている。
VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ)ソリューションであるViewを導入すると、デスクトップ環境がサーバ上に構築され、ユーザーは時間や場所、デバイスを問わず、会社のデスクトップやアプリケーション、データに接続でき、利便性が向上する。また、全てのデータはサーバ側に集約されるため、高度なセキュリティを維持でき、システム管理者は、各ユーザーのデスクトップ環境を集中管理できる。iOSやAndroidを搭載したデバイスは、専用のクライアントアプリケーションによって「Unity Touch」(※)が提供され、タッチインタフェースで利用するデバイスに対してユーザーインタフェースの最適化を図っている。
※ タッチパネル上での操作を行いやすくするため、メニュー表記やアイコンなどの操作性を工夫・拡張したユーザーインタフェース。
また、HTML5対応ブラウザがあれば、Webブラウザ上で仮想デスクトップを利用できることも特徴。これによって専用のクライアントアプリケーションをインストールすることなく仮想デスクトップへ接続でき、外出先など自身のデバイスがない環境下でもWebブラウザから安全にデスクトップを利用できる。
ユーザーのデスクトップ情報は全てサーバに集中管理されるため、システム管理者にとっても運用負荷を抑え、効率的なデスクトップ運用が可能となる。
Horizon 6には、「Horizon View Standard」「Horizon Advanced」「Horizon Enterprise」の3つのエディションが存在する。その概要について説明する。
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