“IT嫌い”の先生が変わるたった1つの工夫――神戸大学大学院 杉本真樹医師iTeachersに聞く、IT活用「3つの秘訣」【第5回】

医療教育でのIT活用に積極的に取り組む、神戸大学大学院の杉本真樹医師。IT活用に積極的でない医師までもIT活用の取り組みに巻き込んでいる杉本医師が、IT活用のコツを明かす。

2014年06月02日 08時00分 公開
[神谷加代]

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 教育現場でのIT活用を実践する教育者チーム「iTeachers」。そのメンバーの中で唯一、医療の世界に身を置くのが、医師/医学博士の杉本真樹氏だ。現在は神戸大学大学院 医学研究科の特命講師を務め、帝京大学医療情報システム研究センターの客員教授や他大学の講師なども兼務する。

 杉本医師は大学卒業後、帝京大学医学部附属病院の外科や米VA Palo Alto Health Care System(米国退役軍人省パロアルト病院)で医師として勤務。その後、神戸大学で特命講師として医学生の育成に携わる。医療教育でのIT活用に積極的で、患者の内臓データを3次元(3D)画像にする医療画像解析用iOSアプリケーション「OsiriX HD」を使ったり、3Dプリンタを使った特許取得済みの「生体質感造形」技術を使って患者の内臓を模型で再現したりするなど、画期的な指導を実践。これらの新しい取り組みは、医療関係者のみならず、教育関係者の注目も集めている。

 「医療ICTシステム」「手術支援」「低侵襲内視鏡手術」「手術ロボット」など最先端医療技術の研究開発にも幅広く参加し、医学系学術会議で国際11件、国内8件の学会賞を受賞している杉本医師。現在は神戸大学の「生命医学イノベーション創出リーダー養成プロジェクト」などの推進を通じ、科学教育や若手人材育成に貢献中だ。米Appleが「Macintosh」の誕生30周年にちなんで選んだ、重大な影響を与えた先駆者としての30人のクリエイターの1人でもある。

 IT活用が積極的な医療の世界。教育現場との共通点も多く、そこから学ぶことも多いだろう。今回は、医療教育の視点を持つ杉本医師から、教育機関がIT製品/サービスを生かす秘訣を聞く。

秘訣1:ITで“本物”を感じさせる

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