インメモリ型の分析エンジンを用いて、レセプトデータ分析などの医療統計データサービスにおける大量データからタイムリーな検証が可能な環境を構築した。
日本医療データセンターは、レセプト(診療報酬明細書)データを用いた集計・分析にビジネスインテリジェンス(BI)製品である「SAS Analytics Pro」と「SAS Visual Analytics」を活用している。提供元のSAS Institute Japanが2014年10月16日に発表した。
日本医療データセンターは健康保険組合(保険者)や研究機関、製薬メーカー、医療機器メーカー、生命保険会社などの顧客にレセプトデータ分析などの医療統計データサービスを提供。レセプトを活用したデータ分析に基づく保健事業支援や医薬品の安全性評価、医療経済分析などで生活習慣病の予防や医療費の抑制などに貢献している。
これまで日本医療データセンターでは、大量のデータを用いた各種サービスを展開するに当たり、データの内容(詳細情報)やデータ品質そのものの探索や検証などに課題を抱えていた。同社はSASを活用することで、特定疾患の患者数の推定や、被保険者のジェネリック医薬品処方推進に向けたサービスなど顧客のニーズや目的に合わせたデータ分析が可能になったという。
また、データの加工や集計、分析、可視化、データ品質の検証までを効率的に実施できる環境を整備した。具体的には、レセプトデータ情報を可視化するとともに、2万点以上の医薬品を対象に投与量の異常値(過剰投与)を可視化。異常値を効率的に検知し、修正することが可能になった。さらに疾患別に患者数の推移を確認したり、生活習慣病などによる重症化リスクの高い患者群などを特定するための検証もリアルタイムに実施できたりするという。
日本医療データセンターでは、ビッグデータに対応するインメモリ型の分析エンジンであるSAS Visual Analyticsでタイムリーなデータ検証が可能な環境を構築できたとしている。将来的には、薬の投与の組み合わせによるデータ分析や薬剤別の安全性領域におけるリスク管理のためのデータ提供など、分析サービスの幅を拡充する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...