2014年12月26日 08時00分 公開
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2014年の教育ITホットトピックは? 主要ニュースで振り返る教育ITニュースフラッシュ2014年まとめ

教育機関のIT活用に関するさまざまなニュースがあった2014年。教育ITニュースフラッシュの各回でトップニュースとして紹介したニュースを基に、2014年の教育ITの動きを振り返ります。

[鳥越武史,TechTargetジャパン]

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 教育機関のIT導入事例、教育機関向けの新製品に関するニュースを紹介する教育ITニュースフラッシュ。2014年1月28日の「教育IT」開設以来、注目すべき教育IT関連ニュースをほぼ毎週お伝えしてきました。2014年、教育機関のIT活用でどのような動きがあったのか。2014年に公開した教育ITニュースフラッシュ全42本の各回で、トップニュースとして取り上げたニュースを基に振り返ってみましょう。

タブレットに始まりタブレットに終わった2014年

 2014年の教育ITニュースフラッシュのトップニュースとして取り上げた回数が最も多かったのは、タブレットの導入事例のニュースでした。第1回となる同年1月31日掲載の「武雄市の小学生が使うのはiPad? Windows 8.1端末? それともAndroid端末?」、同年最後となる12月19日掲載の「『Surface Pro 2』を選んだ畿央大学、『iPad』ではなぜだめだった?」を含む9回でタブレット導入事例をトップニュースとしました。各教育機関は、米AppleのiPadシリーズや米Microsoftの「Surface」シリーズ、米GoogleのモバイルOS「Android」搭載タブレットなどの中から、用途に見合った端末を選定し、活用しています。

 タブレットなどの端末の導入はもちろん重要ですが、その真価を引き出すには、各端末から利用する学習者用のアプリケーションやシステムの充実が重要になります。2014年2月14日公開の「DeNAが作った学習アプリを導入する公立小学校とは?」ではその一例として、iPad活用を進める多摩市立東愛宕小学校(現:多摩市立愛和小学校)が、ディー・エヌ・エーの学習アプリ「アプリゼミ」を採用したニュースを紹介しました。

 授業や講義に役立つシステムだけが、学習者向けシステムではありません。2014年10月24日公開の「京都大学が導入した、スマホ利用の『放置自転車一掃システム』とは?」では、スマートデバイスを使った共有自転車の貸し出しシステムを導入した京都大学の事例を紹介しました。学校生活の中にあるちょっとした不満や非効率をITで解消する動きが、今後広がるかもしれません。

 こうしたシステムやアプリの稼働基盤として活用が広がるとみられるのはクラウドです。2014年9月5日公開の「近畿大学、システムも教科書販売も“Amazon派”に」では、近畿大学が米Amazon Web Servicesのクラウドサービス群「Amazon Web Services(AWS)」を導入した事例を紹介しました。日本マイクロソフトもクラウドサービス「Microsoft Azure」を教育機関を含む公共分野向けに拡販する意向を示しており、教育機関を舞台としたクラウド導入は今後も活発化する可能性があります。クラウドに限らず、2014年は校内/学内インフラに関するさまざまなニュースを取り上げました。

「MOOC」にも注目 活用事例も広がる

 主に大学が学習者にオンラインで講義を提供し、学習状況を評価した上で履修証明を発行する「大規模公開オンライン講座(MOOC)」関連のニュースも多く、比較的多い5件をトップニュースで取り上げました。興味深いのは、ある大学がMOOCで公開した講義動画を他の教育機関が活用する動きです。2014年10月10日公開の「慶應大の無料ネット講座を使う東京工科大、その狙いとは?」で紹介したように、他大学の講義動画であっても、目的の達成に最適であれば積極的に活用する大学が増える可能性があります。

 MOOCのように履修証明を発行しないものの、講義動画や教材をオンラインで公開する大学は少なくありません。中でも2014年2月28日公開の「早稲田大学の『全講義公開プロジェクト』に新たな展開」で取り上げた早稲田大学は、2032年までに全講義を学内外に公開するという野心的な計画を掲げています。同大学はこの他、保有する美術品や資料をインターネットに公開する事業も進めており(2014年5月9日公開の「早稲田大学で始動した“キャンパス博物館化計画”とは?」で紹介)、講義動画や教材にとどまらずさまざまな学術資産の公開を進める考えです。

アバター活用などITならではの付加価値も

 校外/学外向けの取り組みが目立つオンライン講義ですが、内部向けにオンライン講義を活用する動きも広がりつつあります。オンライン講義の受講対象は、学習者だけとは限りません。2014年4月11日公開の「足立区の若手先生、eラーニングで“早稲アカ流”熱血教師に?」では、足立区立の小中学校に勤務する1〜3年目の教員が、学習塾を運営する早稲田アカデミーの講義ノウハウを基にした講義をオンラインで受講する取り組みを取り上げました。

 単にオンライン学習を可能にするだけではなく、ITならではの付加価値を加える教育機関も増える兆しがあります。その一例が、2014年9月25日公開の「青春時代を2次元で 『アバター』で卒業できる高校が誕生」で紹介した、通信制高校運営の花沢学園(千葉市中央区)の事例です。同学園が2015年4月1日に始める新たな通信制過程では、生徒の分身である「アバター」を使い、生徒同士の仮想空間での交流を可能にするとのこと。生徒同士が交流する機会が少ないという通信制高校の課題を解消するのが狙いです。

校務や学務の効率化事例も

 2014年8月29日掲載の「立命館が会計システムを刷新、その理由と効果とは?」、同年12月5日掲載の「世界48カ国の『公文式教室』を支える新基幹システムとは?」では、会計システムをはじめとする基幹システムの導入事例をトップニュースとして扱いました。

 教職員の事務作業を効率化するためにITを生かそうとする動きも根強くあります。2014年8月22日掲載の「『校務IT化』で先生の“激務”は解消されるのか? 大阪市が検証」では、校務システムの導入を進める大阪市教育委員会が、先行的に校務システムを導入したモデル校へのアンケート調査を基に、校務システム導入の効果を検証したニュースを取り上げました。

プログラミング教育など情報教育にも焦点

 中学校の技術・家庭科で必修となっているプログラミングをはじめ、情報教育に関するニュースも取り上げました。2014年5月30日公開の「iPhoneアプリを授業で開発、岐阜県の公立高校生が挑戦」では、授業の一環としてAppleのスマートフォン「iPhone」のアプリ開発を実施する岐阜県立岐阜商業高等学校の事例を紹介。小学校でプログラミング教育を進める動きも現れ始めており、今後の広がりに注目が集まります。

 教育ITは、2015年1月末に開設1周年を迎えます。今後も、教育機関のIT活用やIT製品選定に役立つ情報を幅広く紹介していきます。どうぞご期待ください。

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