スマートフォンで対応が進むワイヤレス給電。現時点では2つの規格が標準の座を争っている。これまでは先行するQiが優勢だったが、ここにきてPowermatもスターバックスなどを味方にして巻き返しを図っている。
PCやモバイル端末、そして、周辺機器でケーブルからの解放が着々と進んでいる。スマートフォンでは、Micro USB接続を必要としない充電パッドなどによるワイヤレス給電が実用化している。ただ、規格が複数あるためモバイル端末によって対応する規格が異なり、非対応の端末では余計なアダプタが必要になる。煩わしいケーブル接続から自由にしてくれる共通規格は現時点でまだ存在しない。
「ワイヤレス給電」という呼称はあまり正しくない。「誘導式非接触給電」の一般名称ではあるが、第1に、完全なワイヤレスではない。充電パッドを使う場合、パッドに電力を供給するためコンセントにつなぐ必要がある。第2に、充電ベースに端末を物理的に接触するか、極めて近くに置く必要がある。1メートル以上離れたところに給電する技術も登場しているが、充電ベースから遠ざかれば送電量も低下する難点がある。
ワイヤレス給電技術は、ニコラ・テスラの研究までさかのぼる。テスラは、電磁場によってある物体から別の物体に送電できることを発見した。ものすごくかいつまんで言えば、磁石に巻いたコイルに電流を流すと電磁場が発生し、そこから受信側に電力を送ることができる。ただし、コンセントから直接供給する場合に比べると、伝送効率は非常に低くなる。
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