営業利益アップを達成した老舗企業に学ぶ、中小企業の“起死回生”CRM活用術従業員が業務で得た情報は宝の山(1/2 ページ)

研磨関連製品の老舗企業Mipoxは、業績不振にあえぐ中、営業力強化のために顧客管理ツールを導入し、4期連続増収増益を達成した。成功のヒントは「あらゆる仕事を見える化して共有した」ことだという。

2016年01月22日 10時00分 公開
[西本愛子TechTargetジャパン]

 Mipoxは箔(はく)や研磨フィルムの製造と塗布技術といった「塗る」「切る」「磨く」を追求する、1925年創業の老舗企業だ。国内事業所は立川本社と山梨工場の2カ所。従業員数は82人(連結212人)の中小企業ながら、海外にも積極的に進出し、関連会社は米国、中国、マレーシアなど8カ国11拠点にわたる。

 Mipox代表取締役社長に渡邉 淳氏が就任した2008年は試練の年であった。ピーク時に年間約100億円に達していた売り上げは徐々に低迷し、2009年には年間約30億円まで落ち込みを見せた。Mipoxは精密研磨剤で特定の少数顧客(ハイテク市場)に対する高いシェアを持ち、老舗としてのブランドもあったものの、その事実こそが業績低迷の原因だったと渡邉氏は考えていた。起死回生の一手は、2012年に導入したセールスフォース・ドットコムのCRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)サービス「Sales Cloud」(以下、Salesforce)、社内SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Chatter」だった。セールスフォース・ドットコム主催の中堅・中小企業向け経営実践セミナーで、渡邉氏は導入の理由と成果について講演し、トップダウンのオペレーション改革のヒントを提示した。

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