「ビジネスを強くする格安SIMを探せ」【第2回】
ビジネスにおけるMVNOサービスの適材適所を理解する(1/2 ページ)
仮想移動体通信事業者(MVNO)のサービスは通信費を抑えたい法人にとってメリットが多い。しかし、全ての業務を移行するのは無理がある。MVNOのビジネス導入では、その得手不得手の理解が重要だ。
連載「ビジネスを強くする格安SIMを探せ」とは
この連載では、最近ユーザー数を急速に増やしている「MVNO」と、彼らが取り扱う「格安SIM」「データ通信サービス」について、ビジネスで導入するための方法やメリット、そして、制約について、移動体通信関連サービスを長年取材している佐野正弘氏が解説する。日本では認知度がまだ低く、格安SIMについては言葉のイメージが先行している懸念もある。その実態を把握し、ビジネスにおいてどのような効果があるのかを考えてみよう。
とにかくデータ通信が圧倒的に安価
法人で仮想移動体通信事業者(MVNO)の通信サービスを導入する最大のメリットは、通信費の削減だ。大手キャリアの一般的な料金プラン、例としてNTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」を挙げると、「カケホーダイプラン」の月額料金が2700円、高速通信量が1人当たり5GBの「データMパック」(5000円)、これにインターネット接続サービス「spモード」(300円)を追加すると、月額8000円かかる計算だ。
一方、MVNOの料金事例としてNTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」を挙げると、音声対応SIMの場合でも、高速通信容量が月当たり5GBの「5GB/月コース」が2150円で済む。通話し放題のサービスがなく、通話料(070、080、090番号からの発信)が30秒20円かかる違いがあるものの、データ通信を主体に利用するならば、月額料金を半分以下に抑えることができる(※以上の価格はすべて税別。2016年4月6日時点調べ)。
ただし、MVNOのサービスは大手キャリアと比べ幾つかの弱点があることを考慮する必要がある。
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連載「ビジネスを強くする格安SIMを探せ」
企業で利用が進むスマートフォンの最新事情
データ通信に関しては、MVNOは大手キャリアと比べ帯域が細いことから、昼間や夜間のそれぞれで通信量がピークになる時間帯になると通信速度が大幅に落ちやすい。また、それ以上に大きな弱みとなるのが音声通話だ。回線を借りるキャリアとの契約上、MVNOの通話料は30秒20円と横並びかつ高額になってしまう。そのため、スマートフォンを音声通話主体に利用しているユーザーでは逆に高くつく可能性もある。
しかしながらそれでも、データ通信の料金が大手キャリアと比べ圧倒的に安いというのは、コストを抑えたい法人利用において音声通話のコスト高を上回る大きなメリットとなるケースが多いだろう。音声通話に関しても、@niftyの「NifMo」のように独自の通話定額サービスを提供する事業者や、NTTコミュニケーションズの「050Plus」などのIP電話サービス、そして、楽天の「楽天でんわ」などのプレフィックス番号を付加するタイプの通話サービスを活用するなど、それぞれに音声通信費を抑える手段を用意している。
以上のようにMVNOのサービスは、特にモバイルでデータ通信を積極的に利用し、併せてコストも抑えたい企業ほど導入する効果が大きくなる。また、MVNOのSIMはスマートフォンだけでなく、(SIMロックの有無や通信方式などに注意が必要だが)SIMのスロットを備えたタブレットやPC、無線LANルーターでも利用できることから、安価にモバイルデータ通信を実現するための手段として活用するのもいいだろう。
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