「Slack」だけではないChatOpsツール
「チャット×ボット」とは? 新たなIT運用が生まれる“やっぱりな理由”(1/2 ページ)
チャットをコミュニケーション手段や日常業務の管理に使う企業が増えている。実際、どのように活用しているのか紹介する。
近年、チャットルームは大きく進歩し、かつて同じ趣味で絞り込んだ相手とやりとりしていた時代とは様変わりしている。
2016年現在、チャットルームは、IT運用チームが本格的な仕事をこなすための仮想ワークスペースとなっている。インシデント対応時の主要なコミュニケーション手段となることもあれば、開発と運用が連携して開発を進める「DevOps」のパイプラインに沿ってアプリケーションを進めるための重要なコマンドを実行することもある。
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こうした仮想ワークスペースの基盤となる「ChatOps」ツールは、大きく以下の3種類に分類できる。1つは、「PagerDuty」や「VictorOps」といったベンダーが提供する通知ツールだ。緊急事態や重要な出来事が起きた際には、通知ツールを使って仮想チームを招集できる。2つ目は、メッセージを自動的に返信する「チャットボット」だ。チャットボットをChatOpsシステムに統合すれば、受け取ったコマンドをチャットルームで実行できる。チャットボットのフレームワークには、「Qbot」や「Hubot」といったオープンソースのプロジェクトがある。そして通知とチャットボットを連係させる役割を担うのが、「Slack」やAtlassianの「HipChat」、CA Technologiesの「Flowdock」といったチャットツールだ。
スタートアップからエンタープライズまで幅広い企業が採用
スタートアップのクラウドコミュニケーションプラットフォームメーカーであるTwilioは以前から、運用の拡大・縮小やインシデント対応時のDevOpsチームの柔軟性向上にPagerDutyといった製品を役立てている。
Twilioは、何百というマイクロサービスを世界中に分散する複数の小規模な自律的チームで管理している。PagerDutyは、オンコール業務のローテーションに伴う通知ルートの変更にも対応できる。「会社の成長過程において業務を分担していく上で、そうしたPagerDutyの能力が鍵となった」とTwilioの研究開発担当責任者を務めるブルース・ウォン氏は語る。同社は、1年以上前からPagerDutyを使っているという。
さらにChatOpsツールは、一般企業の中で従業員が分散して勤務しているような企業において、IT運用の記録のためのシステムになりつつある。
WebコンテンツアグリゲータACI Information Groupの技術担当副社長のクリス・モイヤー氏は「当社にはデータセンターもオフィスもない。皆、散らばって仕事をしている。そこで私たちはオフィスを持たない、オンラインだけのコミュニティー型オフィスを検討するようになった」と話す。
VictorOpsのDevOpsエバンジェリストで『ChatOps for Dummies』著者のジェイソン・ハンド氏によれば、ChatOps環境を構築してまだ間もない段階では、セキュリティと適切な権限付与が難題となるかもしれないという。
「誰かが勝手にシステムに入り、コマンドを実行するという事態は当然避けなければならない」と同氏は語る。多くの企業は、まず読み取り専用のモニタリングデータでChatOpsを試してから、チャットボットのコマンドを利用するようになるという。
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