東レのビジネス成長を支えるクラウド基盤が、SDDCでできるまでvForum 2016レポート(1/2 ページ)

東レグループは、2017年度に向けた次世代基盤として、ハイパーコンバージドインフラを基盤に、VMwareの仮想化を用いたSDDC(Software-Defined Data Center)の導入を決定した。

2016年12月08日 09時00分 公開
[唐沢正和]

最新技術を駆使して、ビジネス貢献度の高いITサービスを提供したい

図1 東レグループ 次世代基盤《クリックで拡大》

 東レグループは、2017年度に向けた次世代基盤として、統合インフラ製品のハイパーコンバージドインフラをベースとした「SDDC」(Software-Defined Data Center)の導入を決定した。SDDCは、ハードウェアリソース全体をソフトウェアで制御するデータセンターのことで、東レグループはVMwareの仮想化技術を用いて実現した。グローバルで使われている最新技術を導入することによって、柔軟性と品質が両立したクラウド基盤の構築を目指す。同社のIT環境を支えている東レシステムセンター・システム技術推進部長の天満昌則氏は、ヴイエムウェア主催イベント「vForum 2016」のセッションで、SDDCを導入する狙いや解決できる課題、もたらされるビジネス価値などについて語った。

 世界26カ国・地域で幅広い事業を展開する総合化学企業集団の東レグループ。2020年に向けたビジョンとして「AP-Growth TORAY 2020『持続的に収益を拡大する企業グループ』」を掲げており、2016年は「AP-G 2016『革新と攻めの経営』」をテーマに事業戦略を進めている。その中で東レシステムセンターは、東レグループの情報システム会社として、「サービスセンターへの変革」「技術活用による業務効率化」「グループ共通基盤の展開」の3つを重点施策とし、2017年度に向けた次世代基盤の構築に取り組んでいる。

 東レグループでは、システムの進化を促すため、システムライフサイクルを考慮してシステム基盤の世代管理を進めている。1つのバージョンは、メインストリーム期間3年、凍結運用期間3年、収束期間1年の計7年をサポート期間とし、おのおのの世代において、1つ前の世代からの移行ステップを用意している。つまり3年のライフサイクルでシステム基盤を世代交代しているわけだ。現在メインストリームのシステム基盤は、2017年には凍結運用を行うことから、2017年度に向けて次世代基盤となる「v2017」の構築は待ったなしの状況だ。

 v2017構築のミッションは、ビジネス貢献度の高いITサービスを提供し、東レグループの成長を推し進める次世代基盤を実現することだ。「2017年度の次世代基盤では、柔軟性と高品質を両立したITサービスを提供することが求められた」と天満氏は語る。そのために同グループは最新技術を導入し、セルフサービス化と省力化を進めたプライベートクラウド基盤の構築を目指す。加えて次世代基盤「v2020」で、ハイブリッドクラウド化を見据えた運用も求められているという。

プロジェクト初期からヴイエムウェアを加え、SIerと三者連携へ

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 SB C&S株式会社

仮想化環境のモダナイゼーションを加速させる、新しい運用管理方法とは?

さまざまなメリットをもたらす仮想化環境だが、2023年にVMwareが買収されたことで、ユーザー企業は難しい判断を強いられている。そこで、コストメリットも大きい、仮想化環境のモダナイゼーションの方法について解説する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

データ利活用基盤を強化:NTTコミュニケーションズのストレージ導入事例

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

事例 ニュータニックス・ジャパン合同会社

サーバ250台の移行事例、東海理化が仮想環境を刷新した理由とその効果とは?

技術や市場の変化が激しい自動車業界にあって、長年、数多くの自動車メーカーに部品を供給してきた東海理化。同社は変化に柔軟に対応するためのDX推進に当たって、これまで運用してきたレガシー仮想環境からの移行を断行する。

製品レビュー ニュータニックス・ジャパン合同会社

クラウド同士の連携と運用の課題解消、WebスケールITの基準を採用した基盤とは

ハイブリッド/マルチクラウドへ移行する企業のIT環境だが、クラウド同士の連携は複雑な上に、運用も非効率になりがちだ。そこで、この問題を解消するためのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームを紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。