徹底レビュー:Windows 10 Creators Update、うれしい新機能と気になるプライバシー問題情報収集に懸念も

2017年4月11日にリリースされた「Windows 10 Creators Update」では、操作性が良くなる新機能が加わった。しかし、プライバシー設定に関する懸念事項も発生している。

2017年04月22日 08時00分 公開
[Jerry JacksonTechTarget]

 Microsoftは2017年4月11日に「Windows 10 Creators Update」をリリースした。このアップデートでは、全体的な操作性を向上する幾つかの新機能が導入されている。だが、残念ながら、Windows 10 Creators Updateによって新たな問題も発生している。具体的には、プライバシーの設定が変更され、Microsoftによって各種情報が収集されるようになっているという問題だ。また、Microsoftが収集する情報には、個人情報が含まれる可能性もある。

Windows 10 Creators Update:お勧めの新機能

「スタート」メニューの改善

 Windows 10 Creators Updateによる変更で多くの人がまず気付くのが、新しい「スタート」メニューでタイルをフォルダにまとめられるようになったことだろう。だが、それだけではない。フォルダのサイズを変更したり、フォルダを非表示にしたりして、使用頻度の低いアプリが画面を占有しないようにすることが可能になっている。

 「Windows設定」「個人用設定」「スタート」を順にクリックし、「[スタート]メニューにアプリリストを表示する」をオフにして、「スタート」メニューにアプリリストが表示されないようにすることもできる。この設定をオフにした後のスタートメニューには、タイルとフォルダのみが表示され、画面の20%を占有していたアプリリストは表示されなくなる。

Windows Defenderセキュリティセンター

セキュリティセンター Windows Defenderセキュリティセンター(画面は英語版、以下同じ)《クリックで拡大》

 Windows 10に同梱されている「Windows Defender」はウイルス対策ソリューションとして申し分ない機能を発揮してきた。だが、他の多くの重要なセキュリティ設定がWindows Defenderに直接関連付けられていないのが実情だった。Windows 10 Creators Updateでは、「Windows Defenderセキュリティセンター」と呼ばれる1つのインタフェースに全てのセキュリティ機能をまとめることで、この問題を解消している。

 Windows 10 Creators Updateの適用後は、1つのウィンドウで、「ウイルスと脅威の防止」「デバイスのパフォーマンスと正常性」「ファイアウォールとネットワーク保護」「アプリとブラウザーのコントロール」「ファミリのオプション」にアクセスできるようになる。Microsoftは、Windows Defenderセキュリティセンターをサードパーティーのセキュリティアプリに取って代わるものとして位置付けており、ウイルスとセキュリティに関する全ての設定を1つのインタフェースで管理するようになっている。

改善したトラブルシューティング

トラブルシューティング Windows 10 Creators Updateのトラブルシューティング《クリックで拡大》

 Windows Defenderセキュリティセンターに全ての保護機能とセキュリティ機能をまとめたのと同様に、ユーザーがあらゆる問題の修正または診断に使用できる単一のメニューを作成することで、問題のトラブルシューティングが大幅に簡略化されている。

 Windowsの設定にある新しい「トラブルシューティング」のセクションでは、インターネット接続やBluetoothの問題から、プリンタの不調やオーディオの問題に至るまで、さまざまなものに対応している。なお、新しい「トラブルシューティング」のセクションには、「Windowsの設定」「更新とセキュリティ」「トラブルシューティング」を順にクリックしてアクセスできる。

ゲームモード

 Microsoftは、「Xbox」アプリを初めて導入したときから、Xboxユーザーと「Windows」ユーザーの融合に取り組んでいる。だが、Windows+Gのショートカットで有効になる新しい「ゲームモード」は、バックグラウンドプロセスよりもゲームを優先させることで、この実現に一歩近づいている。これはフレームレートの安定によりゲームをプレイ中のパフォーマンスが向上するだけではない。ゲームモードを使用すると、バックグラウンドで実行中のアプリがポップアップを表示して、ゲームのプレイを台無しにしたり、ゲームの操作に影響しないようにしたりできる。

夜間モード

夜間モード設定 Windows 10 Creators Updateの夜間モード設定《クリックで拡大》

 周知の通り、電子機器のディスプレイが発するブルーライトにより、私たちの脳は、夜間であっても昼間だと勘違いすることが証明されている。就寝前に電子機器のディスプレイを見ると、快眠を妨げる恐れがある。Windows 10 Creators Updateでは、「夜間モード」を導入して、この問題に対処している。なお夜間モードには「Windowsの設定」「夜間モード設定」を順にクリックしてアクセスできる。この機能では、画面の色温度を高くすることで、ディスプレイが寒色から暖色の色味に変更される。

 夜間モードは、日没から朝まで自動で有効になるようにするか、手動で時間を設定することができる。ただし、日没後に写真を編集したり、動画配信サービスの「Netflix」で映画やドラマを見て夜更かしを楽しんだりしたい場合は、夜間モードの設定をオフにすることをお勧めする。

Windows 10 Creators Update:プライバシーに関する懸念

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