仮想デスクトップの使いにくさや管理負荷は「レイヤー化」で解消できる?ノンパーシステント型VDIでパーソナライゼーションを実現

ノンパーシステント(非永続)型の仮想デスクトップインフラ(VDI)で、エンドユーザーの自由なカスタマイズを実現するのは簡単ではない。IT部門の負担を抑えながらカスタマイズ性を高める手段とは。

2017年06月23日 05時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]
画像 仮想デスクトップの「レイヤー化」がもたらす効果とは

 クラフトビール愛好家の中には、ホップの苦みが強めのインディアペールエール(IPA)を好む人が少なくない。それと同様にITプロフェッショナルは可能であれば、仮想デスクトップインフラ(VDI)の運用方式として「ノンパーシステント」(非永続)型を好む傾向にある。

 ノンパーシステント型のVDIは、各セッションの終了後に状態をリセットするので、IT部門にとって管理が楽だ。それでもエンドユーザーは、少なくともある程度はパーソナルな仮想デスクトップを構築し、自分の好みに合わせてユーザーエクスペリエンス(UX)をカスタマイズしたいと考えている。

ローミングプロファイル

 IT管理者は多くの場合、ノンパーシステント型VDIに「移動ユーザープロファイル」(「ローミングプロファイル」とも)を使って、ある程度のパーソナライゼーションを実現する。移動ユーザープロファイルは、パーソナライゼーションの設定を記載したユーザープロファイルを、仮想デスクトップではなくネットワーク共有サーバに保管する。

 移動ユーザープロファイルは完璧な方法ではない。だがエンドユーザーのニーズをおおむね満たすことは可能だ。移動ユーザープロファイルは、ユーザープロファイル内に保存されているデータと構成設定だけを保管する。ユーザープロファイルがカバーしていないオブジェクトに加えた変更は、ログオフの時点で全て失われる。

 ログオンとログオフの時間が長くなりかねないという問題もある。移動ユーザープロファイルではデータファイルの数が増え、ネットワークを圧迫するからだ。そのため多くの従業員を有する大規模企業にとって、移動ユーザープロファイルは必ずしも理想的な選択肢とは限らない。

レイヤー化でパーソナライゼーションを実現

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