PC市場の縮小により、ベンダーは生き残りをかけてイノベーションを起こす必要に迫られてきた。その成果だけでなく、さまざまな要素が絡み合い、PC市場の縮小ペースが著しく減速している。
クライアントPC市場は長い間縮小してきたが、これにやっと歯止めがかかりそうだ。「Windows 10」が受け入れられてきたことや2-in-1デバイス(タブレットとしてもノートPCとしても利用できるデバイス)を中心としたイノベーションが進んだことがその理由だ。
ITエキスパートはこれまで何年にもわたって、PCが消えていくのではないかという議論を重ねてきた。スマートフォンやタブレットが登場したからだ。しかしPCのハードウェアおよびソフトウェアの機能は向上している。例えば、プロセッサがより高速になり、電池の寿命が伸び、重量が軽くなった。セキュリティも強固になった。これらが要因となり、PC市場は転換期を迎えている。Gartnerの2017年7月のレポートによると、PC市場は2018年から2019年にかけて1.6%の成長率となる見込みだ。
「今日、PCはパフォーマンスが飛躍的に向上しました。安価なPCであってもモバイル端末より作業効率が高いのです」とアラスカ州の公益企業でIT統括者を務める、マット・コシュト氏は言う。
Gartnerによれば、PC市場は2016年の第2四半期から2017年同時期までに4.3%縮小した。モバイル市場が成長したことが原因だろう。「6年または7年前、購入できるデバイスはPCだけでしたが、今はさまざまなデバイスを購入できます」とGartnerリサーチディレクターのランジット・アトワル氏は言う。
PCから他のデバイスの購入への転換をしているのは企業ではなく、ほとんどが一般消費者だ。アトワル氏によれば、PCのユーザー企業は、より高い性能と効率性を備えた新しいPCへ買い換える必要がある。その結果、PC市場の縮小は減速し、最終的には拡大へと転じ得るというのだ。
企業では、主たるコンピューティングデバイスとして大半のユーザーがまだPCを使用している。ただし「長い間、企業は同じPCを使い続けてきたため、PCの出荷台数が減少していました」とアトワル氏は言う。しかし同氏によると今、企業はこれまで使っていたPCを新機種に買い換えようとしている。
これにはコシュト氏も「PCが消えつつあるとは全く思っていません」と同意する。
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