省電力広域無線ネットワーク(LPWA)の普及は、IoT(モノのインターネット)に急速な成長をもたらすだろう。小規模の電力で広範囲の接続が可能になれば、社会インフラを含む多様な産業が様変わりする日も近い。
あらゆる機器がネットワーク経由でつながる「モノのインターネット(Internet of Things、以下「IoT」)」という概念が注目を集め始めた当時、無線ネットワークテクノロジーは、IoTのインフラを念頭に置いた設計を取り入れていなかった。当時は、2Gや3G、4G、LTEなどの携帯電話テクノロジー、Wi-Fiなどの無線LANテクノロジー、ZigBeeなどのPAN(パーソナルエリアネットワーク)テクノロジーがあった。こうしたテクノロジーは、主に「大量のデータを扱う特定のデバイスを、音声ネットワークやデータネットワークに個別に接続すること」に重点を置き、データ転送に必要な電力については、ほとんど考慮していなかった。
こうしたネットワークテクノロジーの設計者は、データ量が少ない省電力の小型組み込みデバイスが無数に存在する世界、つまり、それまでは孤立していた物理的な「モノ」を、データ交換や制御のためにインターネットにつなぐ“IoTの世界”を予測していなかった。とはいえIoTは、既存のネットワークテクノロジーを活用して巨大な市場を築くことに成功している。調査会社Gartnerが2017年2月に発表した予測によると、2017年には世界で840億台のIoTデバイスが使用され、エンドポイントとサービスへの総支出額は2兆ドルに達する。低コストで省電力のデバイス向けに、幅広いレベルの受信域を提供する無線ネットワークが実現すれば、IoTにとって、急速な成長の起爆剤になる。いつでも、どこからでも、あらゆるものをインターネットに接続できる、IoT本来のビジョンが実現するだろう。
こうした想像が、今や現実に変わりつつある。「LTE Cat-M1」(LTE-m)、「LTE Cat-NB1」(NB-IoT)、「EC-GSM-IoT」といった省電力広域無線ネットワーク(LPWA:Low Power Wide Area)標準や、同標準をサポートするテクノロジーの出現は、IoT向けネットワーク実現に向けた最初の1歩だ。
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