Gartner 2017年ランキングでは、大手2社のクラウドプロバイダーが同率首位となった。この2社が素晴らしいクラウドを提供するのは間違いないが、今後は複数ベンダーのマルチクラウド化が重要だという。
米カリフォルニア州サンディエゴで開催された「Gartner Catalyst Conference 2017」で人気のテーマが「クラウド戦争」(Cloud Wars: Comparing Major Cloud Platform Providers)だ。人気の理由は恐らく、カンファレンスセッションの中核ともいえる疑問「クラウドインフラの最高のプロバイダーはどこか」を知りたいためだ。クライアントからいつも同じ質問を受けることからも間違いない、とIT分野の調査・助言を行う米企業Gartnerのアナリスト、イライアス・クネイサー氏は話す。
この疑問の答えは「簡単には出ない」となる。明言を避けるのには理由がある。Gartnerは毎年Amazon、Microsoft、Googleという大手プロバイダーにランクを付け、どのプロバイダーにも共通するネットワーク能力(帯域制御やパフォーマンス)とコンピューティング能力(リソースや処理速度)などの技術力や、サポート、価格、管理の容易さを評価している。
2017年は1社のプロバイダーが首位を独占することはなく、Amazon「Amazon Web Services」とMicrosoft「Microsoft Azure」がいずれも94%というスコアを記録し首位を分け合った。この2社に続くのがGoogleの「Google Cloud Platform」で、スコアは80%だった。
どのプロバイダーも2016年のランキングから数値を上げており、2016年のスコアはAWSが92%、Azureは88%だった。このスコア上昇はプロバイダーの大いなるイノベーションを反映するものだと語るクネイサー氏は、それが特にMicrosoftに当てはまり、「Microsoftは大きな飛躍を遂げた」と語る。
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