AI導入成功企業の共通点は「AIかどうかを選定理由にしない」ことAIの誇大宣伝に混乱する企業たち(後編)

AIを導入した企業はどのような課題を抱え、解決したのか。本稿で紹介する2つの事例の共通点は、導入製品がAIであるかどうかを全く重要視していないことだ。彼らが重視したことは何だったのか。

2018年01月05日 08時00分 公開
[Cath EverettComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 12月6日号掲載)では「AI(人工知能)ウォッシング」のまん延と、そのためにユーザー企業がAIの導入をためらう現状を紹介した。

 後編では、2つのAI導入事例を紹介する。

事例:FreestyleXtreme

 「当社は、AIの導入を具体的に決めていたわけではなかった」と語るのは、アクションスポーツのオンライン小売業を営むFreestyleXtremeのマネージングディレクター、ショーン・ローリン氏だ。「AIの導入は、既存の自動化戦略の延長にすぎない。当社は、AIと自動化戦略を区別していない。AIは単に自動化戦略が進んだ新たな段階と考えている」(同氏)

 同社は2003年に設立され、6年後に自動化への取り組みを始めた。同社がEmarsysの機械学習ベースのマーケティングアプリケーションを導入したのは2015年のことだった。

 このクラウドベースのシステムは、デモグラフィックプロフィール、購入履歴、Webサイトの閲覧行動などに基づいて各顧客の情報を収集し、メールで送るマーケティングメッセージをリアルタイムにカスタマイズする。また、顧客が同社のWebページにアクセスすると、その顧客が気に入る可能性が最も高い商品を表示する。









ITmedia マーケティング新着記事

news135.jpg

Xが新規アカウントに課金するとユーザーはどれほど影響を受ける? そしてそれは本当にbot対策になるのか?
Xが新規利用者を対象に、課金制を導入する方針を表明した。botの排除が目的だというが、...

news095.jpg

Googleの次世代AIモデル「Gemini 1.5」を統合 コカ・コーラやロレアルにも信頼される「WPP Open」とは?
世界最大級の広告会社であるWPPはGoogle Cloudと協業を開始した。キャンペーンの最適化、...

news018.jpg

Cookie廃止で広告主とデータプロバイダ、媒体社にこれから起きることとその対策
連載の最後に、サードパーティーCookie廃止が広告主と媒体社それぞれに与える影響と今後...