「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)は業務要件の特定が重要だ。しかし適切なベンダー選びも同じくらい重要だ。本稿は主要なEMMベンダーとその製品の特徴を掘り下げて見ていく。
「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)ツールを導入、実装するプロセスでは、自社のニーズや要件を特定してからも、ツールの選定という重要な作業が続く。一般的にEMMは単体の製品ではなく、複数の製品が集まったもの(スイート)だ。その中には「モバイルデバイス管理」(MDM)、「モバイルアプリケーション管理」(MAM)、「モバイルアイデンティティー管理」「モバイルコンテンツ管理」などのツールが含まれる。
管理者がEMM製品に求めなければならない主要プラットフォームの機能として、以下が挙げられる。
EMM市場ではEMMの機能やサービスとともに、総じて手厚いサポート(サービス)が提供されている。各製品を調査する際に注目すべきポイントは、スケーラビリティ(拡張性)、サービス品質、ツールのラインアップだ。また企業は、EMMツールをオンプレミスに導入するか、クラウドに展開するかを検討しなければならない。
最適なソフトウェアを見つけるには、購入者はEMM製品の一般的な特徴に焦点を当て、コストの相場を踏まえて、ライセンスコストを抑えられる製品を探さなければならない。ほとんどのEMM製品には機能が重複している部分があり、自社製品の独自性を全面的にアピールできるベンダーは1社もない。購入者には、各社の製品の価格、ライセンス方式、特別な機能の違いを見分けることが求められる。
以下では、さまざまな機能を提供する主要EMMベンダー全社の製品を紹介する。なお、本稿で取り上げる製品は、Appleの「Device Enrollment Program」他、BlackBerryの「BlackBerry Enterprise Server」、Citrix Systemsの「XenMobile」、IBMの「IBM MaaS360」、LANDeskの「Xtraction」、Microsoftの「Microsoft Enterprise Mobility Suite」、MobileIronの「MobileIron」、SAPの「SAP Fiori」、Sophosの「Sophos Mobile」、SOTIの「SOTI MobiControl」、VMwareの「VMware AirWatch」だ。
IT管理者はこれらを比較して、どの製品が自社に最適かを見極めることができる。
Appleは、企業向けサポートによって、Appleデバイスが次の成長ステージに進むと認識している。企業市場は従来、Windowsデバイスの牙城だったが、iOSデバイス、とりわけ「iPhone」は企業で強く支持されるようになった。
これらのことから、Appleは、iOSでMDMおよびEMMサービスへの対応を強化している。iOSプラットフォームは現在、以下の3つの重要な技術をサポートしている。
iOS 9.3からは学校でも、デバイスで複数プロファイルを管理できるオプションを利用できるようになり、これによって数人の学生が1台のデバイスを共有できるようになった。こうした学校向けの機能は、iOSのメジャーリリースごとに拡充されている。
これらのプログラムは、iOSソフトウェアのAPIを介してMDMおよびEMMプロバイダーに拡張できる。だが、Appleがまだ企業向けにプロセスを簡素化していない重要な領域が幾つかある。2つの例を以下に示す。
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