英国の公共機関の多くが、Microsoft Azureを選択しているという。UKCloudは、さらにAzure Stackを使ったハイブリッドクラウドの提供でその流れを加速しようとしている。
英国のクラウド企業UKCloudは、「Microsoft Azure Stack」に公共機関向けのリージョンを作成し、英内閣府の「Crown Hosting Service」が使用するデータセンターの不足に対処しようとしている。
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UKCloudがMicrosoftおよびCisco Systemsとチームを組んでこのリージョンを提供する。このリージョンは、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境の構築を希望する公共機関ユーザー向けに設計されているが、2018年2月末には一般利用の開始も想定されている。
UKCloudの最高デジタル責任者(CDO)で、政府デジタルサービス(GDS)の共通テクノロジーサービスの前責任者でもあるイアン・パターソン氏によると、クラウドに興味を示す公共機関は一向に減る気配を見せないという。そして、その多くが選択肢として捉えているのが「Microsoft Azure」だ。
同氏はComputer Weeklyのインタビューに答えて次のように話している。「(公共機関の)ユーザーは、『Amazon Web Services』(AWS)かAzureのいずれかをルートとしてたどっているのは明らかだ。AWSもAzureも、数年をかけて成熟させてきた複数のサービスから成る、(一般的には)風合いの異なる環境を用意している」
「Azure Stackを調べると、本来のAzureよりも機能が制限されていることが分かった。だが、足掛かりとしては実に安全で、公共機関に必要な資質が全てそろっている。そのため、当社の環境にこれを加えることに何の支障もなかった」(パターソン氏)
UKCloudは、「OpenStack」、VMware製品、Oracle製品から成るスタックを基盤に構築される企業アプリケーションやクラウドネイティブのアプリケーションをサポートする。同社によると、英国を拠点とするクラウドプロバイダーの中でも、Microsoftと提携してAzure Stackのマルチテナント導入を提供する最初のクラウドプロバイダーになるという。
UKCloudのCTO(最高技術責任者)レイトン・ジェームス氏の話では、同社が提供する多様なクラウド技術により、公共機関ユーザーはクラウドネイティブのアプリケーションでも、クラウドへの移行を希望するレガシーアプリケーションでも確実にサポートされるという。
「全く新しいアプリケーションを構築するのであれば、当社のOpenStackサービスやAzure Stackサービスがある。既存のアプリケーションを調整するのであれば、VMwareワークロードを利用してそのアプリケーションをVMwareクラウドに移行するか、Oracleクラウドを利用してOracleクラウドに移行できる」(ジェームス氏)
「ポイントは当社が同じプラットフォームに多様なクラウド技術を用意しているところにある。これにより、顧客はそのまま進めることも、アプローチを変えることもできる」(ジェームス氏)
多様性という点では、同社はパブリッククラウド大手のAWSを含め、今後他のクラウドプラットフォームの導入も進めるとパターソン氏は話す。
「何も除外しない。(AWSを含め)他のプラットフォームに直接関与したことはないが、今後投入されるサービスを注意深く見守っていく」(パターソン氏)
「全てが検討対象になる。当社のユーザーが、AWSのプライベートクラウドのような何かを必要としていると分かったら、当社で調査し、その時点でその技術を評価する」(パターソン氏)
UKCloudが狙いを定めたAzure Stackは、Ciscoの「Unified Computing System」(UCS)と「Nexus 9000クラウドスケールスイッチ」を基盤に構築されている。
UKCloudによると、公共機関のニーズに具体的に応えたセットアップはAzure Stackだけだという。
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