オムニチャネル戦略を推進するHobbycraftのCIO、トーマス氏にインタビュー。同氏が改革した社内アプリ、モバイルの顧客エクスペリエンス強化、そしてCIOにとってのイノベーションとは。
手工芸用品の大手小売りチェーンHobbycraft(https://www.hobbycraft.co.uk/)は、業務効率の向上と顧客のオンラインエクスペリエンス強化を目的に、バックオフィスシステムとWebベースのシステムのリプレースと改善に取り組むプログラムを進行している。
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最高情報責任者(CIO)マイク・トーマス氏は、Hobbycraftのテクノロジー戦略を担うため、2011年に同社に入社した。
トーマス氏はComputer Weeklyのインタビューに答えて次のように話している。「Hobbycraftに加わったのは、ITシステムとインフラを検証するためだ。意欲的な成長計画をサポートするため、当社の機能と処理能力を確立することが目的だった。検証の結果、卸売りシステムのリプレースが必要だという結論に至った」
同社の新しいテクノロジー戦略の第一歩は、ERPを選定することだった。同社をこれまで支えてきた環境はパッケージアプリケーションと特注のコアアプリケーションが混在しており、まずはこれを置き換える必要があった。こうした置き換えには、ストア内のプラットフォームとビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームも含まれている。
リプレースに先立ち、トーマス氏と上層部で話し合い、トーマス氏が推奨するプラットフォームを評価し、承認を得た。それ以来18カ月、同氏はこのリプレースプログラムの指揮を執っている。新しいERPは、チャネルパートナーK3 Retailが提供する「Microsoft Dynamics NAV」を基盤とする。
加えてStarcomと共同で、オフサイトがホストする専門的な追加システムも少数実装した。同社の需要計画と補充のシステムの包括的なアップグレードも実行した。
もう1つの大きな進展として、90カ所に及ぶ店舗、本社、配送センターに分散した約1000人の従業員が利用するメールをMicrosoftの「Office 365」のメールサービスに移行した。
トーマス氏によると、Googleの「Gmail」なども検討したが、これまで培ってきた企業文化を理由にMicrosoftのサービスを選んだという。
「当社は以前、『Exchange』『Windows』、ERPソリューションを使用していた。そのため、Office 365の見た目や使い心地は、従業員が使い慣れたものだった。もしGmailに移行したなら、全く異なるサービスに慣れなければならなかっただろう。そのため、当社は安全な選択肢を選んだ」
2017年にIT部門が打ち出した主要戦略は、モバイルプラットフォームでの顧客のオンラインエクスペリエンス強化を重要な柱とするHobbycraftのビジネス計画に沿っている。
「当社の以前のWebサイトはあまり優れていなかった。全商品が掲載されておらず、モバイルでの使い勝手もよくなかった。現在、これらの問題全てに対処している。今後数カ月、さらに改善を行う予定だ」
近々行う強化の一例として、スマートフォンで買い物をする顧客向けにWebサイトを段階的にアップグレードする。Hobbycraftの売り上げの半分以上がモバイルチャネルからであることを考えると、これは重要なステップになる。
他にも、同社のWebサイトにユーザー発信のコンテンツを実装することに取り組んでいる。「さらなる強化により、シームレスで快適な店舗とオンラインでのショッピングエクスペリエンスを顧客に提供することを目指している」とトーマス氏は言う。
同社はオムニチャネル基盤の構築を考えている。そのため、Webサイトの強化に加え、実店舗をサポートするテクノロジーを今後数カ月でアップグレードする予定だ。例えば、顧客が店内で使用するWi-Fiの速度アップや、クリック&コレクト提案などを予定している。
また、2018年中にCRMを評価して改善を加えることも予定している。他にも、顧客対応プロジェクトとして、「Hobbycraft Club」の強化も挙げている。Hobbycraft Clubは2年前に一から作り上げた顧客プラットフォームで、現在は200万人のユーザーを擁している。同社はオンラインや店舗で顧客が何を購入しているかを追跡することで、キャンペーンや宣伝で適切にターゲットを絞り込んでいる。
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