人工知能(AI)インフラを構築するには、ストレージ、ネットワーク、AIデータのニーズを真剣に検討し、その結果を熟慮した戦略的な計画と組み合わせる必要がある。
人工知能(AI)のアプリケーションやワークロードをサポートするためにAIインフラを構築・強化する企業が考えることはたくさんある。
こうした検討はささいな問題ではない。企業がAIを使って最終的な成功を収めることができるかどうかは、自社の環境にそのような強力なアプリケーションがどの程度適合するかによって決まる。データを大量に使用するAIワークロードの主要リソースとしてクラウドが浮上しているが、企業はこうしたプロジェクトに依然として自社のオンプレミスのIT環境を利用している。
最大の考慮事項の1つがAIデータストレージだ。具体的には、データ量の増加に応じてストレージを拡張する能力が必要になる。エンタープライズAI戦略を準備し、必要なインフラを構築する場合、ストレージの検討を最優先にしなければならない。これには、AIの効果を高めるために必要な膨大な量のデータを扱えるだけの適切なストレージ容量、IOPS(1秒間に処理できるI/O数)、信頼性の確保などがある。
必要なストレージの種類を決める要因は多い。使用予定のAIレベル、意思決定をリアルタイムに行う必要があるかどうかなどがその例だ。
例えば、高度で価値が高いニューラルネットワークエコシステムの場合、従来のネットワーク接続型ストレージアーキテクチャでは、I/Oと遅延によるスケーリングの問題が生じることがある。同様に、金融サービス企業がリアルタイムの取引の決定にエンタープライズAIシステムを利用する場合、高速オールフラッシュストレージ技術が必要になるかもしれない。
ビッグデータと分析の環境として、膨大なデータ量をサポートするように設計されたHadoopなどのフレームワークを活用する環境を既に構築している企業は多い。こうした環境は、多くの種類のAIアプリケーションに適合する可能性が高い。
もう1つの考慮事項はソースデータの性質だ。AIアプリケーションはソースデータに依存する。そのため、ソースデータが存在する場所とAIアプリケーションがそのデータを使用する方法を認識する必要がある。例えば、アプリケーションがセンサーのデータをリアルタイムに分析するか、それとも後で処理するかを把握しておく。
アプリケーションが生成するAIデータの量を考慮することも必要だ。AIアプリケーションは、生成するデータが多いほど適切な判断を下す。データベースは時間の経過と共に大きくなる。そのため、容量を監視し、必要に応じて拡張する計画が求められる。
AIインフラのもう1つの重要な要素がネットワークだ。AIのサポートに必要なスケールで高い効率を実現するには、ネットワークのアップグレードが必要になる可能性が高い。
ディープラーニングアルゴリズムは通信への依存度が高いので、企業ネットワークはAIの取り組みの拡大とネットワークの需要を合わせる必要がある。そのため、スケーラビリティを最優先にしなければならない。それには、高帯域幅、低レイテンシ、クリエイティブなアーキテクチャが求められる。
企業は、可能な限り自動化すべきだ。例えば、データセンターには自動インフラ管理ツールを導入すべきだ。
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