目指すはFacebook型? それともMicrosoft型?
「Google+」は法人向けSNSとして生まれ変わることができるのか
大規模な情報漏えいが発覚し、サービスを終了することになった「Google+」はどこへ向かうのか。
Googleは、50万人近いユーザーのデータが流出していながらその事実を公表しなかったことが発覚していた「Google+」の一般ユーザー向けサービスを終了し、法人顧客向けのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に重点を絞ると発表した。
Googleのエンジニアリング担当副社長ベン・スミス氏によると、一般ユーザー向けのGoogle+は10カ月かけて段階的に終了し、新機能の追加は法人向けバージョンに絞る。
「われわれの検証の結果、Google+はエンタープライズ製品とする方が適していることが分かった。セキュアな法人向けソーシャルネットワークを利用すれば、同僚との社内ディスカッションができる」。スミス氏はブログにそう記した。だが法人向けのGoogle+を売り込むのは難しいかもしれない。
Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・レイザー氏によると、「Jive」や「Yammer」のような法人向けSNSツールはほとんどが「消えつつある」という。一方、「Igloo」や「Sitrion」などは、デジタルワークプレースプラットフォームへと照準を切り替えている。
「成長が見られるソーシャルプラットフォームはFacebookの『Workplace』のみとなっている」とレイザー氏は言う。Google+はクラウドベースのコラボレーション・業務用プラットフォーム「G Suite」に含まれている。Google+では、ユーザーがコミュニティーに加わったり、他のユーザーをフォローしたり、写真や動画などのコンテンツを共有したりできる。
「Googleは全G Suiteアプリのためのデジタルハブとして、WorkplaceのようなエクスペリエンスをGoogle+で提供できる」と、レイザー氏は指摘する。デジタルハブとして成功するためには、GoogleがG Suiteの中の1アプリとしてGoogle+を提供するのではなく、中核的なユーザーエクスペリエンスに重点を置く必要がある。
Googleは2016年にLinkedInを買収したMicrosoftのやり方を参考にすることもできる。Microsoftはディレクトリとカレンダーの統合や、LinkedInでつながる相手との文書の共同編集といった新しいコラボレーション機能を通じて、LinkedInのプロフェッショナルネットワーキング機能をOffice 365に融合させようとしてきた。だがレイザー氏によればGoogleは、MicrosoftがOffice 365やTeamsで取っているような統合型アプローチではなく、アプリケーションを個々に独立して提供する傾向がある。
顧客の信頼回復
Google+を法人向けソーシャルネットワークとして再生させる上で、セキュリティはGoogleが対応すべき重要な課題となる。ユーザーの名前や電子メールアドレス、誕生日などのデータが流出したAPIのセキュリティ問題は2018年3月に発見され、修正されていたが、Googleは直ちに公表しなかった。「これはGoogleにとっての汚点であり、企業との間で信頼にかかわる問題を生じさせる。信頼の回復にはある程度の時間を要するだろう」とレイザー氏は予測する。
スミス氏によると、法人向けのGoogle+では、共通のアクセスルールや中央コントロールといったセキュリティ機能を提供する。
Googleはまた、9月のβ版に続き、G Suiteのためのアラートセンター公開した。アラートセンターでは、セキュリティアラートとアクションを1つのインタフェースにまとめている。このサービスでは、ビジネスに影響を及ぼす可能性のあるG Suiteのセキュリティ問題についてGoogleが調査している際もユーザーに通知される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[セコムトラストシステムズ株式会社] SCS評価制度で重要性が増す「SASE」 制度の要求事項と機能はどう関係する? -
製品資料
[株式会社kickflow] 3分でわかる「kickflow」 どのようなワークフローを実装できる? -
事例
[株式会社kickflow] 出前館も実践 ワークフロー刷新で得られる効果とは? -
事例
[株式会社kickflow] ワークフロー活用事例:社内システムとのAPI連携で業務効率化&統制強化を実現 -
事例
[株式会社kickflow] 武州製薬が挑んだ「脱・紙とハンコ」 IT部門と現場部門はどう変わった?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
2
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
3
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
4
なぜ情シスは評価されにくい? 読者調査で見えた「成果が見えない仕事」第1位は
-
5
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
6
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の機能とスペックを徹底比較
-
7
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
8
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
ポストVMwareの新たな選択肢 NTTデータが示す国産仮想化基盤の全貌
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
6
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
7
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
10
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー