Arcadisの最高情報責任者(CIO)を務めるジャスティン・ライト氏に、建設業界に属する同社の顧客が立ち向かわなければならないデジタルディスラプターによる脅威と、それを支援するための同社の取り組みについて話を聞いた。
ジャスティン・ライト氏はArcadisで北米と中南米地域を担当する新たなCIOとして、同社をデジタルリーダーにすることを目指している。Arcadisは設計やコンサルタントを担う一流のグローバル企業だ。その収益は35億ドルを超える。
ライト氏には直面する大きな仕事がある。Arcadisがサービスを提供している建設業界は、小売や医療などの業界を騒然とさせているデジタルディスラプター(デジタル時代の創造的破壊者)から比較的守られてきた。だが、ライト氏は近い将来大変革が起きると考えている。ライト氏によると、同氏のITチームに所属する90人のスタッフは、Arcadisが顧客にサービスを提供するうえで欠かせない同社のテクノロジー基盤を提供する態勢が整っているという。
ライト氏がArcadisに入社したのは2007年だ。それ以降、マーケティングや顧客開発など、業務に直結する分野で、さまざまなディレクターレベルや幹部の職務を経験してきた。Arcadisに加わるまでは、複数の企業で最高位のマーケティング職に就いていたという。アリゾナ州立大学のW.P.キャリー・スクール・オブ・ビジネスでMBA(経営学修士)を取得している。
新たにCIO職に就いた同氏は、他の地域を担当するArcadisの2人のCIOと連携している。1人は欧州、英国、中東地域、もう1人はアジアとオーストラリア地域を担当する。ArcadisのグローバルIT運用部門は約450人の従業員を擁し、太陽の動きに合わせ海外拠点と連携して常に安定したサービスを提供するという「フォローザサン」(Follow the Sun)運用モデルを導入している。
ジャスティン・ライト氏(以下ライト氏):デジタル変革の影響を受けた業界に目を向けると、いずれの業界も数年前にディスラプション(創造的破壊)が起こり、以降もその状況がずっと続いている。その例が、ホテル業界、タクシー業界、小売業に対して、Airbnb、Uber、Amazonがそれぞれ起こした影響だ。だが、これは建設業には当てはまらない。他の業界のような形でのディスラプションは起きていない。
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