最初に学ぶのに最適なプログラミング言語が存在しない理由文法の習得に終始していないか?

開発者が最初に学ぶのに最適なプログラミング言語はJavaだという意見がある。だが本当にそうだろうか。どの言語でも構成要素はほぼ変わらない。

2019年02月15日 05時00分 公開
[Bob ReselmanTechTarget]

関連キーワード

教育 | プログラマー | プログラミング


画像 プログラミングを学び始めるのに最適な言語については盛んに議論が交わされている

 プログラミング言語の入門としてJavaを教える価値について、企業向けのJava専門Webメディア「TheServerSide」が2018年11月に記事として取り上げた。その記事では、機能、複雑性、他のプログラミング言語との比較という点からJavaをうまく分析していた。

編集注:TheServerSideは本記事の原文を掲載している。

 その記事は読み物として優れており、お薦めできる。だが「最初に学ぶのに最適なプログラミング言語が存在する」という、その記事の前提には議論の余地がある。プログラミングに不可欠な要素はどの言語でも変わらない。そのため、どの言語を最初に学ぶかは問題ではないというのが本稿の見解だ。

 見方を変えてみよう。生まれたばかりの子どもが最初に学ぶ言語は重要だろうか。中国語や英語を学ぶのが適切なのだろうか。アラビア語やスウェーデン語では駄目なのか。実際には、子どもが最初に学ぶ言語は決まっていない。言語を学ぶことは人間の進化の一部だ。本当に気にすべき問題は、子どもがその言語を習得できるかどうかだ。

言語の仕組み

 大まかに言えば、名詞、動詞、副詞、接続詞など、言語を構成する要素はどの言語でも変わらない。言語の違いは、語句の発音、文法、語法に現れる。「人間は生まれつき言語を習得する能力を備えている」と主張する言語学者さえいる。

 プログラミング言語についても同じことが言える。大まかに言えば、変数、演算子、ステートメント、構造体など、プログラミング言語を構成する要素はどのプログラミング言語でも変わらない。もちろん、スレッド処理など、特殊なテクノロジーを扱うための機能を持つプログラミング言語もある。だが構成要素のレベルでは、「最初に学ぶのに最適なプログラミング言語」の候補になる言語はどれも驚くほど似ている。If-then-elseステートメントには条件が必要だ。ループには何らかの反復メカニズム、演算子には作用(計算結果)が伴う。納得していただけるだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 サイボウズ株式会社

「ERP×ノーコードツール」のアプローチを推進するためのポイントとは?

DXが進み、レガシーシステムからの脱却が喫緊の課題となっている今。「ERP×ノーコードツール」のアプローチで基幹システムの刷新に取り組む企業が増えている。そのアプローチを推進するに当たってのポイントを解説する。

事例 サイボウズ株式会社

ローコード/ノーコード開発ツールで実現する、変化に強い組織の作り方

DXの本質は、デジタル技術を駆使して変化に適応する能力を身につけることにある。その手段の1つとして注目を集めているのが、ローコード/ノーコード開発ツールだ。京王グループなどの事例とともに、その特徴やメリットを紹介する。

事例 サイボウズ株式会社

ノーコードツールでDX人材を育成、京セラや日本航空などの事例に学ぶ効果の実態

DX人材の重要性が高まる中、ノーコードツールの活用によって業務改革と人材育成を両立しようとする動きが活発化している。年間約780時間の工数削減を実現した京セラをはじめとする5社の事例を基に、その実態を探る。

事例 アステリア株式会社

ものづくり現場で「足かせ」のアナログ業務、9社の事例に学ぶ業務改善の秘訣

急速に進化するデジタル技術は、製造業などのものづくりの現場にもさまざまな恩恵をもたらしている。しかし、設備点検業務や棚卸業務などの立ち仕事や移動が多い現場では、いまだにアナログ業務が残存し、効率化の妨げとなっているという。

事例 アステリア株式会社

工場・倉庫の「隙間業務」をデジタル化、11社の事例に学ぶ現場DX

あらゆる業界でDXの重要性が増しているが、工場や倉庫の中にはデジタル化が後回しにされている隙間業務が多数ある。その理由を明らかにした上で、それらの業務をモバイルアプリでデジタル化し、現場DXを推進する9社の事例を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。