ビデオ会議ベンダーは、ハードウェアとソフトウェアをまとめた「システム」としての製品提供から、構成要素を絞った「ツール」としての提供に移行しており、企業にとっては選択の幅が広がっている。
ビデオ会議ベンダーによる新しいソフトウェアとハードウェアの発表が相次いでいる。最新のビデオ会議のトレンドは、ベンダー独自のハードウェアとソフトウェアで構成されるビデオ会議「システム一式」の提供から、ビデオ会議「ツール」という限定的なセットを提供することに移行している。
この変化によって、ビデオ会議ベンダーがハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーに分化し、より幅広いマーケットが生み出されて、ベンダー間の新しいパートナーシップの構築が可能になりつつある。
これまでビデオ会議ベンダーは、独自のハードウェアとソフトウェアで構成される完結したシステムを提供してきた。企業がこのようなシステムを導入する場合、企業全体で単一ベンダーの製品を統一的に導入する必要があった。
今では、どのベンダーの製品とも互換性のあるユニバーサルなハードウェアとソフトウェアは、ビデオ会議ベンダーにとって、もはや新しい概念ではなくなった。複数のビデオ会議ソフトウェアと互換性のあるUSB接続のビデオ会議ハードウェアを提供しているベンダーもあるが、こうしたハードウェアのベンダーが独自のWeb会議ソフトウェアを提供することはほとんどない。ビデオ会議ベンダーは、ユーザー企業が好みに応じて選択した各ビデオ会議ソフトウェアに対して、最適なWeb会議ハードウェアの選択を可能にするといった、汎用(はんよう)性の高いビデオ会議ツールの開発にリソースを集中している。
ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかに注力することを選んだビデオ会議ベンダーは、異なるベンダー間のパートナーシップを構築し、このパートナーシップを利用してビデオ会議システムを購入しようとする企業のための新しい購入方法を作り出した。市場調査会社Let's Do Videoの創設者であるデビッド・マルドウ氏によると、こうしたパートナーシップの登場はビデオ会議に関するイベントである「Enterprise Connect 2019」で明らかになった。ここでは、多くのビデオ会議ベンダーが他ベンダーのソフトウェアと、自社のハードウェアの組み合わせを紹介した。
ベンダー同士のパートナーシップは、企業が特定のビデオ会議サービスと、これと接続できるビデオ会議ハードウェアを併せて購入可能な「サービス付きビデオ会議システム」として知られるトレンドの一部だ。調査会社Frost & Sullivanのアナリスト、ロバート・アーノルド氏によると、このサービス付きビデオ会議システムを使用すると、設定と管理がより容易になるという。ビデオ会議ハードウェアとビデオ会議サービスを組み合わせることで、より多くの選択肢が提供でき、環境に合わせてコストを抑えることも可能になるからだ。
アーノルド氏は「このようなパートナーシップは、ニーズに最も合ったビデオ会議ツールを購入しようとしている企業にとって都合がよい。このパートナーシップは、品質とサポートの質を高め、購買プロセスを改善する強力なエコシステムを生み出している」と言う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
業務マニュアルは使われて初めてその効果を発揮するが、そもそも見られていないことから、業務課題を一向に解決できないという企業は多い。“活用されるマニュアル”を作成・共有するには、どんなポイントを押さえるべきか。
ハイブリッドワークの浸透や出社への回帰など、働く環境は企業や組織によってさまざまだ。200人超を対象に行った調査の結果を基に、ビジネスパーソンが考える理想の働き方を明らかにしながら、見えてきた課題への対応策を探る。
Microsoft Office更新時期の企業・グループウェア導入を検討中の企業向けに、「Microsoft 365」をお得に利用できるキャンペーンを紹介する。
テレワークなどの新しい働き方が定着し、そのことが組織の業績に好影響を及ぼしている一方、さまざまな課題が顕在化しつつある。コールセンター業務にフォーカスし、これらの課題の解決に向けた取り組みを紹介する。
顧客へと配信されるメールマガジンやトランザクションメールだが、その不達や遅延に悩む企業は少なくない。ビジネス機会の損失にも直結しかねないこれらの問題は、なぜ発生するのだろうか? その原因と対策を詳しく解説する。
「Microsoft 365 Copilot」の真価を引き出すこつとは? リコージャパンに聞く (2025/3/24)
大量のデータから欲しいものを見つける難しさ 生成AIで改善へ (2025/3/3)
「帳票電子化」は8割……紙をPDF化しただけ? 必要なのは「デジタル化」 (2025/2/28)
なぜシステム導入は失敗するのか 請求書電子化の成功事例から学ぶ“コツ” (2025/1/6)
事例:パナソニック ネットソリューションズの文書管理効率化、ペーパーレス化 (2024/6/28)
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「AIエージェント」はデジタルマーケティングをどう高度化するのか
電通デジタルはAIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」の大型アップ...