SAPが「最大手ERPベンダー」ではなくなる日SAPが経営陣を刷新、戦略への影響は【後編】

ユーザー企業の「S/4HANA」への移行を進めるSAPは、2019年に経営陣を刷新した。同社の課題と、経営陣の刷新が何を意味するのかについて考察する。

2019年11月28日 05時00分 公開
[Jim O'DonnellTechTarget]

関連キーワード

SAP | ERP | SAP HANA


画像

 「SAPが進めた大規模な組織再編は、大企業では一般的な経営措置だ」。ITコンサルティング会社Enterprise Applications Consultingの創設者兼社長を務めるジョシュア・グリーンバウム氏はこう話す。ただしSAPが再編に踏み切った時期は、同社にとって非常に重要な時期でもあった。

 グリーンバウム氏の考えでは、SAPは自社が提供するさまざまな製品とサービスを統合する必要があるという。例えば同社の会計アプリケーション「SAP S/4HANA Finance」やクラウド形式の人事アプリケーション「SAP SuccessFactors」などを統合することが必要だ。そうしなければ、人事と財務に関する機能を兼ね備えた製品を提供する、新興のERP(統合業務)パッケージベンダーに自社製品のユーザー企業を奪われる恐れがある。

 組織再編中であることが、SAPにとって「大きな障害になる」とグリーンバウム氏は話す。現在、新興ERPベンダーのWorkdayが市場でクラウド形式の人事財務アプリケーションの普及を推し進めており、「SAPにはその対抗策が必要だ」と同氏は主張する。

競合がSAPを打ち負かす可能性も

ITmedia マーケティング新着記事

news099.jpg

ソーシャルメディア利用年齢規制でMetaより損をするのは?
ソーシャルメディアの利用は16歳以上に制限されるべきなのだろうか。そうだとしたら、実...

news205.jpg

台湾の旅行者の77.4%、米国の旅行者の53.6%は1年以内に日本を再訪したい――JTB総合研究所調査
訪日インバウンド旅行者の中にはリピーターとなる人も少なくありません。そこで、次回の...

news163.jpg

電通グループがRobloxと組んで次世代コンテンツクリエイターを支援 その背景は?
電通グループがゲームプラットフォーム「Roblox」を活用した次世代クリエイター支援プロ...