クラウドユーザーのための“クラウド専用”のセキュリティ対策とは?クラウドが浮き彫りにするリスク【後編】

クラウドサービスのセキュリティ対策には、オンプレミスのシステムと共通しているものもあれば、クラウドサービスの利用を前提として生まれたものもある。それぞれどのような対策があるのか。専門家に聞いた。

2020年06月12日 05時00分 公開
[大久保 心織TechTargetジャパン]

 IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)といったクラウドサービスは、企業の多様な働き方を可能にする一方で、システムを複雑にする。前編「『クラウドサービス』は何が危険か? オンプレミスとの違いが生むリスク」は、クラウドサービス導入に伴って露見するセキュリティリスクを紹介した。

 クラウドサービスのリスクに対処するには、「クラウドサービスかどうかは関係ない基本的なセキュリティ対策」に加え、「クラウドサービスに特化したセキュリティ対策」にも注力しなければならない。企業ITのセキュリティに詳しい日立ソリューションズの扇 健一氏の話を基に、クラウドサービスを安全に使うための策を探る。

クラウドサービス、オンプレミス共通のセキュリティ対策

 システム全般に適用できる基本的なセキュリティ対策として「ネットワーク層の保護」がある。社外LANを通じて、IaaSやPaaSなどのクラウドサービスに配置した業務アプリケーションや業務用のSaaS(Software as a Service)を利用したりすることは、多様な働き方を推進するテレワークの実現に欠かせない。その際にVPN(仮想プライベートネットワーク)や専用線接続などを使って通信路を保護することで、安全な接続が確立できる。

 エンドユーザーが利用するデバイスに導入するエンドポイント型のネットワーク制御製品も有効だ。扇氏によると「許可した無線LANアクセスポイント(AP)のみに接続させる」「インターネットなどの社外ネットワークから社内LANに接続する際は必ずVPNを経由させる」機能などが役立つという。「従業員に対するセキュリティポリシー順守の呼び掛け」も根本的な対策になる。

クラウドサービスを前提として生まれたセキュリティ対策

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。