2020年08月20日 08時00分 公開
特集/連載

AWS、Azure、GCPのファイルストレージクラウドファイルストレージ

クラウドではAmazon S3をはじめとするオブジェクトストレージの利用が拡大しているが、ファイルストレージが必要なユースケースも多い。3大クラウドプロバイダーが提供するファイルストレージを理解しておこう。

[Antony Adshead,Computer Weekly]
iStock.com/Sashkinw

 ここ数年、フラッシュの登場、クラウドストレージへの移行など、多くの変化が急速に進んでいる。だが、依然変わらないものも幾つかある。データアクセスの方法もその中の一つだ。ファイル、ブロック、オブジェクトのいずれであってもそれは変わらない。

 オブジェクトストレージは比較的新しいデータアクセス方法だ。オブジェクトストレージは、パブリッククラウドサービスが提供する多くのストレージプロビジョニングの基礎になっている。それに当てはまるのがAmazon Web Services(AWS)の「Amazon S3」だ。Amazon S3のプロトコルはAWS以外のクラウドでも幅広く利用されており、事実上の標準になっている。

 だが、特定のユースケースにはファイルストレージもブロックストレージもまだ必要だ。多くの企業はクラウドのコンピューティングとストレージを利用し、必要に応じてクラウドにワークロードをバーストさせることを望んでいる。多くの場合、クラウドネイティブではないアプリケーションが関係するためファイルストレージもブロックストレージも必要になるだろう。

 本稿では、パブリッククラウド大手のAWS、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」(GCP)が提供するファイルストレージを取り上げる。これら3大プロバイダーはいずれもネイティブなNAS(ネットワーク接続ストレージ)サービスとNetAppストレージベースのハイパフォーマンスなファイルストレージを提供する。

 Azureはファイルストレージキャッシュを提供する点が異なっている。このファイルキャッシュには単一名前空間内の一連のファイルに遅延の少ないアクセスを提供する狙いがある。この機能は多くのサービスレベルで提供される。

AWS

 AWSは「Amazon FSx」と「Amazon Elastic File System」(EFS)という2つのファイルストレージを提供する。

 Amazon FSxにはLustre向けとWindows向けがある。どちらのファイルストレージもPOSIXに準拠する。つまり、どちらもファイルアクセス許可、ファイルロック機能、NFS v4による階層型ディレクトリ構造などを必要とするアプリケーションで機能する。

 ターゲットユースケースには、ビッグデータ分析、Web配信とコンテンツ管理、アプリケーションの開発とテスト、メディアワークフロー、データベースのバックアップ、コンテナストレージなどがある。

 「Amazon FSx for Windows File Server」はWindowsネイティブのSMB(Server Message Block)プロトコル経由でアクセス可能なファイルストレージを提供する。アクセス制御リスト(ACL)、ユーザークオータ、ユーザーファイルの復元、「Active Directory」(AD)統合などの機能がある。メディアオプションとしてフラッシュやHDDの利用が可能で、FSxストレージには、Windows、Linux、macOSの各コンピューティングインスタンスやオンプレミスのハードウェアからアクセスできる。

 AWSによると、遅延時間は数ミリ秒以下、スループットは数10GB/s、IOPSは数百万になるという。

 データは保存時に暗号化され、ISO、PCI DSS、SOC(Service Organization Control)、HIPAAに準拠するとされている。

 「Amazon FSx for Lustre」は機械学習やハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などのファイルベースのユースケースをターゲットにする。よりコスト効率の高い大容量データストアとしてAmazon S3と統合される。この場合、データはAmazon FSx for Lustreのファイル形式で提供される。

 データには、「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)インスタンスやオンプレミスからアクセスできる。

 Amazon EFSはLinuxアプリケーション向けのNFSストレージで、AWSのコンピューティングインスタンスまたはオンプレミスサーバで実行できる。Amazon EFSは数P(ペタ)B規模に拡張でき、「標準」と「低頻度アクセス」という2つのサービスレベルがある。この2つは自動的に階層化され、ファイルは使用プロファイルに応じて最適な層に配置される。

 AWSによると、ファイルアクセスは並列処理され、推定10GB/sのスループットと50万のIOPSを実現するという。低頻度アクセスと標準を80対20で分割したとすると、コストは1GB当たり月額8セントになると見積もられている。

Azure

 Azureのクラウドファイルストレージには




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