AWS、Microsoft、Google、最も低価格なIoTクラウドは?機械学習でシミュレート

AWS、Microsoft、Googleの料金体系には一貫性がなく、ユーザー企業が価格を比較するのは不可能だ。調査会社451 Researchは、機械学習を使って3社の価格をシミュレートし、低価格なサービスを発見した。

2018年07月24日 08時00分 公開
[Caroline DonnellyComputer Weekly]

 複雑な価格体系のため、企業のIT部門はAmazon、Microsoft、GoogleのクラウドベースのIoT(Internet of Things)プラットフォームの使用コストを手作業で比較することができなくなっていると調査会社451 Researchは主張する。

 オーウェン・ロジャース氏(同社マーケットウォッチング担当のデジタル経済部門ディレクター)によると、クラウド大手3社の料金体系には一貫性がなく分かりにくいために、コスト比較が難しくなっているのが現状だという。

 「私が今言えるのは、ユーザー企業がIoTシステムの価格設定の意味を把握するのは不可能だということだ」と、ロジャース氏は本誌Computer Weeklyに語る。

 「プラットフォームによって、それぞれ価格モデルも考え方も全く違う。変数が非常に多いし、変数が奥深くに隠されていることも少なくない」

 一例として、IoT機器間でやりとりするデータの種類をどのように分類するかが挙げられる。裏を返せば、この分類方法がユーザーへの課金額を大きく左右するのだ。

 機器の中には、少量のデータを送信してIoTプラットフォームへの接続が続いているかどうかをテストするものがある。こうした通信に課金するかどうかは、プロバイダーによって方針が分かれる。

 「企業は、価格体系と利用契約の諸条件について、プロバイダーが積極的には説明しないものも含めて、全て把握しなければならない。それができたらさらに、データの使用量が将来どこまで拡大するのか、どのようなユースケースを実現するのかに関しても完璧に把握する必要がある」と同氏は主張する。

 これがどれほど複雑な作業であるかを強調して、451 Researchでは手作業で市場を追跡することを断念し、コスト分析の調査は機械学習をベースとしたPythonスクリプトに頼っているとロジャース氏は明かす。

 「各社の(クラウドIoT)プラットフォームの課金額に最終的に影響する要素は9つある。その前提に立てば、一見でたらめな価格設定シナリオのシミュレーションも、その9つのパラメーターに基づいて実行できるようになるという結論にわれわれは達した」と同氏は説明する。

 451 Researchがこのアプローチに従ってモデル化したシナリオは1000万種類に上るが、その結果同社は次のように結論付けた。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news199.jpg

天気に合わせて屋外広告を自動切り替え 気象データ×DOOHで何ができる?
ジーニーが気象データと連携したDOOH広告の新サービスを発表。屋外にいるターゲットの状...

news152.jpg

日本の動画配信市場は成長鈍化 それでもNetflixに迫る大幅成長を遂げたサブスクサービスとは?
GEM Partnersは、動画配信(VOD)市場の現状と今後の予測をまとめた年次レポートを公開し...

news077.jpg

ヘリから飛び降り、ガラスを破る……アカデミー賞広告主5社が、ド迫力アクションCMを競作した狙い
2025年のアカデミー賞では前代未聞の共同広告キャンペーンが実現。Carnival Cruise Line...