AWS、Microsoft、Googleの料金体系には一貫性がなく、ユーザー企業が価格を比較するのは不可能だ。調査会社451 Researchは、機械学習を使って3社の価格をシミュレートし、低価格なサービスを発見した。
複雑な価格体系のため、企業のIT部門はAmazon、Microsoft、GoogleのクラウドベースのIoT(Internet of Things)プラットフォームの使用コストを手作業で比較することができなくなっていると調査会社451 Researchは主張する。
オーウェン・ロジャース氏(同社マーケットウォッチング担当のデジタル経済部門ディレクター)によると、クラウド大手3社の料金体系には一貫性がなく分かりにくいために、コスト比較が難しくなっているのが現状だという。
「私が今言えるのは、ユーザー企業がIoTシステムの価格設定の意味を把握するのは不可能だということだ」と、ロジャース氏は本誌Computer Weeklyに語る。
「プラットフォームによって、それぞれ価格モデルも考え方も全く違う。変数が非常に多いし、変数が奥深くに隠されていることも少なくない」
一例として、IoT機器間でやりとりするデータの種類をどのように分類するかが挙げられる。裏を返せば、この分類方法がユーザーへの課金額を大きく左右するのだ。
機器の中には、少量のデータを送信してIoTプラットフォームへの接続が続いているかどうかをテストするものがある。こうした通信に課金するかどうかは、プロバイダーによって方針が分かれる。
「企業は、価格体系と利用契約の諸条件について、プロバイダーが積極的には説明しないものも含めて、全て把握しなければならない。それができたらさらに、データの使用量が将来どこまで拡大するのか、どのようなユースケースを実現するのかに関しても完璧に把握する必要がある」と同氏は主張する。
これがどれほど複雑な作業であるかを強調して、451 Researchでは手作業で市場を追跡することを断念し、コスト分析の調査は機械学習をベースとしたPythonスクリプトに頼っているとロジャース氏は明かす。
「各社の(クラウドIoT)プラットフォームの課金額に最終的に影響する要素は9つある。その前提に立てば、一見でたらめな価格設定シナリオのシミュレーションも、その9つのパラメーターに基づいて実行できるようになるという結論にわれわれは達した」と同氏は説明する。
451 Researchがこのアプローチに従ってモデル化したシナリオは1000万種類に上るが、その結果同社は次のように結論付けた。
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