“Zoom依存”さらに進行か 「Web会議」が急増、「対面会議」は“マイナー”にGartnerの調査レポートから

テレワークの普及は、企業における会議の在り方を大きく変えている。会議といえば対面会議だった時代はもう終わり、Web会議が主要な会議手段としての地位を築きつつあるのだ。Gartnerの調査から、会議の実態を探る。

2021年10月07日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

関連キーワード

Web会議 | 在宅勤務


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で、企業や従業員は突然テレワークを余儀なくされた。一夜にしてテレワーク主体の勤務形態に転換せざるを得なかった企業にとって、業務を継続する手段として役立ったのがWeb会議ツールだった。調査会社Gartnerが2021年8月に発表した調査レポート「Gartner 2021 Digital Worker Experience Survey」は、Web会議ツールの重要性をあらためて浮き彫りにした。

「Web会議」の増加で「対面会議」は3割以下に?

 Gartnerは調査レポートの作成に当たり、米国、欧州(英国、ドイツ、フランス)、アジア太平洋地域(日本、中国、インド、シンガポール、オーストラリア)において、従業員数100人以上の企業に所属する1万80人の正社員を対象に調査を実施した。調査期間は2020年11月~12月だ。同社は2019年3月~4月にも同様の調査を実施し、米国、欧州、アジア太平洋地域の7261人から回答を得ている。

 Gartner 2021 Digital Worker Experience Surveyは、企業の従業員を対象とした調査結果をまとめている。この調査レポートの大きなポイントは、Web会議ツールなどの「コラボレーションツール」(注1)の利用がパンデミックにより大幅に増えたことだ。調査レポートによると、仕事でコラボレーションツールを使うとの回答者は、2019年春には回答者全体の55%と半数程度だったところ、2020年末には79%と8割近くに達した。

※注1 Gartnerは「Webex」「Zoom」「Slack」「Microsoft Teams」など、従業員同士が協働する際に利用するコミュニケーションツールを「コラボレーションツール」と定義。

 オンラインストレージやファイル共有などの「ストレージ/共有ツール」、チャットツールなどの「リアルタイムモバイルメッセージングツール」を利用する従業員の割合も増加した。ストレージ/共有ツールを利用しているとの回答は、2020年末の調査では74%で、2019年春調査の64%から伸びた。リアルタイムモバイルメッセージングツールを利用しているとの回答は、2020年末調査では80%で、2019年春調査の75%から伸びている。

 会議時間の内訳に関する調査結果を見ると、2019年春調査では対面会議が会議時間全体の63%を占めていたが、2020年末調査では33%に低下した。Web会議ツールの利用が拡大したことが背景にある。対面会議からWeb会議への移行は今後も続く見通しだ。Gartnerは、テレワークなどの働き方の変化により、企業の会議時間全体に占める対面会議の割合は2024年までに25%まで減少すると予想している。

 「企業は概して、長期的にはハイブリッドワークへの移行を目指している」と、Gartnerのプリンシパルリサーチアナリスト、クリストファー・トゥルーマン氏は話す。ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィスワークを組み合わせた勤務形態だ。トゥルーマン氏は、個人やチームの生産性向上を支援するコラボレーションツールが、「テレワークやハイブリッドワークに従事するさまざまな従業員の要件を満たす、一連の新しいワークハブ(業務拠点)の要を成している」と指摘する。

 IT部門は、どのような形式の会議でも、参加場所を問わず、全ての会議参加者が公平にツールを利用し、リソースにアクセスし、協働できるシステムを整えることが重要だ。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

SharePointを活用している? Microsoft 365ユーザーなら押さえたい活用の秘訣

Microsoft 365に搭載されている「SharePoint」は活用できているだろうか。製品名は知っていても、その機能やメリットが分かっていないという声もよく聞かれる。そこで実際の活用事例を基に、活用のポイントを紹介する。

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

直感的な社内ポータルに刷新してアクセスが向上、千歳コーポレーションの事例

創立60周年を機に抜本的な働き方改革推進に乗り出した千歳コーポレーション。その一環として取り組んだ社内ポータルの刷新により、コンテンツへの直感的・迅速なアクセスを実現。情報共有やコミュニケーション活性化につながっている。

製品資料 株式会社ネオジャパン

ファイル共有の課題、容量問題やPPAP問題を解消するための方法とは?

ファイル共有手段として多くの企業が利用しているメールだが、大容量ファイルの扱いやPPAP問題など、多くの課題が存在する。本資料では、その解決策として注目されるグループウェアの機能を取り上げ、製品選定のポイントを解説する。

製品資料 オリックス株式会社

DXの第一歩、「紙文書のデジタル化」をオンラインストレージから進める理由

請求書や契約書などの紙文書のデジタル化は、業務効率化に欠かせない取り組みの1つだ。ただ、その取り組みがかえって現場の負担を増やすケースもある。そこで注目したいのが、文書管理に役立つオンラインストレージサービスだ。

製品資料 オリックス株式会社

多様な文書を一元管理する文書管理サービス、選定に当たって留意したい点とは?

紙文書のデジタル化が進む中、社内に散らばる多様な文書を効率的に管理すべく文書管理サービスを導入する企業が増加している。多種多様なサービスがある中、自社に最適なものを選ぶためには、どのような点に留意したらよいだろうか。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。