「Windows」PCにがっかりする6つの理由「Windows」と「Mac」、業務用にどちらを選ぶか【第5回】

「Windows」搭載PCは紛れもなく業務用クライアントデバイスの代表格だ。ただしそのことは、Windows搭載PCが完全無欠であることの証明にはならない。企業がWindows搭載PCを導入、運用する上での課題を整理する。

2021年10月10日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 Appleの「Mac」同様、「Windows」搭載PCにはIT部門やエンドユーザーにとって利点がある半面、課題もある。企業が標準のクライアントデバイスとしてWindows搭載PCを導入、運用する場合に対処する必要がある、主な課題を整理しよう。

1.「相性問題」の憂鬱

 CPUやメモリといったハードウェアを自由に構成できるのが、Windows搭載PCの強みだ。半面、組み合わせによってはハードウェアが正常に動かなくなる「相性問題」が生じることがある。想定したハードウェア構成で問題が発生しないかどうか、事前構築してテストすることが大切だ。

2.品質のばらつき

 Windows搭載PCは、世界中のデバイスベンダーがさまざまなハードウェア構成で提供している。そのためデバイスベンダー間で堅牢(けんろう)さや使いやすさといった品質にばらつきが生じやすく、購入前に個々の製品の品質を見極めるのが難しい。

3.保守サポートの混乱

 「Surface」シリーズなどMicrosoft自身が販売するWindows搭載PCもあるものの、それ以外のWindows搭載PCは別のデバイスベンダーが提供している。一般的にはデバイスベンダーごとに保守サポートの内容が異なることに注意が必要だ。OSとハードウェアのベンダーが分かれていることにより、保守サポートの担当がどこなのかが分かりにくくなる課題もある。

4.サイバー攻撃の懸念

 Windows搭載PCはサイバー攻撃の標的になりやすい。企業だけでなく、世界中の一般消費者がさまざまな目的でWindows搭載PCを使用している。単一の攻撃手法で広範に攻撃を仕掛けることができるため、攻撃者にとってWindows搭載PCは効率的かつ効果的な攻撃対象だと言える。

5.OSが有料

 Appleは現在、MacのOSである「macOS」を無料で提供している。Windowsは一部のアップグレードを除いて有料だ。

6.macOSが利用不可

 Macでは市販の仮想化ソフトウェアを使うことで、WindowsやWindows用ソフトウェアを実行できる。だがWindows搭載PCでは、たとえ仮想化ソフトウェアにmacOSやmacOS用ソフトウェアを動かす機能があったとしても、ライセンス上は実行できない。


 Windows搭載PCが業務用クライアントデバイスの主流である状況は、当面は変わらないと考えられる。ただしMacなどの各種クライアントデバイスの利用拡大に伴い、企業は従来の方針を見直さざるを得なくなる可能性がある。1種類のクライアントデバイスが、あらゆる用途にとって最善の選択肢になるわけではない。企業は自社の標準クライアントデバイスが適切かどうかを検証し、見直しを始めるべきだ。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 arcserve Japan合同会社

「止められない」システムを守る、バックアップとHAクラスタリングの併用術

ランサムウェアが猛威を振るう中、バックアップの重要性に注目が集まっている。迅速な復旧を目指す場合、バックアップとHAクラスタリングの併用が求められるが、問題は両者の相性だ。ここでは「Arcserve Backup」との相性を検証した。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンとコンテナが混在する環境で、運用を合理化するための方法とは?

仮想マシンは長年ITインフラの中核を担ってきたが、クラウド時代を迎えてコンテナ技術が台頭し、これに取って代わろうとしている。この過渡期において、仮想マシンとコンテナが混在する環境の運用を合理化するための方法を探る。

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

掛け声だけの「デジタルファースト」にしないための3つのアプローチ

デジタルファーストの世界が到来し、技術的なニーズが高まる一方、ITサービスとIT運用がサイロ化し、イノベーションの妨げになっているケースは少なくない。この問題を解消するための「3つのアプローチ」とは?

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

ITサービスデリバリーとIT運用の“理想的な関係”とは?

世界的な混乱によりビジネス環境が厳しさを増す中、企業が生き残るにはレジリエンスと事前対応力が重要になる。ITサービスと運用においても見直しが求められ、生成AIや自動化による組織運営の効率化が必要とされている。

製品資料 フリー株式会社

情報システム部門の負担を軽減、SaaSのアカウント管理を効率的に行う方法とは?

近年、SaaS利用が加速する中、「誰がどのサービスを使っているのか不明」「退職者のアカウントが残っている」といった管理上の問題が顕在化している。そこで本資料では、SaaSのアカウント管理を効率的に行う方法を紹介する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

「Windows」PCにがっかりする6つの理由:「Windows」と「Mac」、業務用にどちらを選ぶか【第5回】 - TechTargetジャパン システム運用管理 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。