Web会議用「理想の帯域幅」の考え方 “ビデオ通話”と“同時接続”がヒント「Web会議」と「ビデオ通話」の帯域幅【後編】

Web会議への良好な接続を維持するには、「ビデオ通話」と「同時接続数」の関係など幾つかの観点を知っておくとよい。社内のWeb会議ツールを理想に近づけるためのポイントとは。

2021年10月11日 05時00分 公開
[Irwin LazarTechTarget]

 Web会議に必要な帯域幅(通信路容量)を見積もるには、ビデオ通話の要件を決めて、同時接続数を試算する。ビデオ通話の要件については基準を中編「Web会議の『解像度』『フレームレート』『帯域幅』の関係 ビデオの質を左右」で紹介した。

 ビデオ通話の要件を決めたら、次にWeb会議への同時接続数を確認する。

Web会議数とビデオ通話数の見積もり方

 2つ以下のWeb会議ツールしか使用しない小規模なオフィスであれば、同時に2つの接続があると想定する。それより規模の大きいオフィスの場合は、Web会議の最も多い時間の同時接続数を見積もる。目安としてWeb会議ツールの半数を使用するものと想定するとよい。

 次は、ビデオ通話の想定数を考慮に入れる。これはビデオ通話を使用する会議の数と、カメラを通常オンにしている会議参加者の割合から計算できる。この計算の基になるデータは、Web会議ツールを提供するベンダーの管理アプリケーションから入手できる場合がある。

会議ブリッジに注意

 会議ブリッジ(参加者が共通の宛先に接続するオンライン会議の形式)を使用している場合、会議ブリッジの機器が帯域幅の“ホットスポット(大規模消費点)”になる。会議ブリッジはビデオ通話に参加する全てのエンドポイントが共通の機器に接続する。そのため、会議ブリッジの機器を設置するポイントは広帯域幅にする必要がある。できればビデオ通話の同時接続数が使用可能な帯域幅を超えないように、接続数を制御する機能を利用するとよい。

インターネット帯域幅を確保

 スタンドアロンのアプリケーションや、ユニファイドコミュニケーションシステムでWeb会議を利用する場合、各エンドポイントがWeb会議ツールベンダーのクラウドに接続する。そのため帯域幅の要件は、より厳しくなる。各拠点間のWANに加え、インターネット接続するWANの帯域幅も十分に確保しなければならない。

 データセンターに十分な帯域幅を確保するのが難しい場合は、リモート拠点からインターネットに直接接続することや、WANとWeb会議ツールベンダーのクラウドを直接接続するサービスの利用も代替策になる。

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