VolkswagenはArmを発起人とする「Scalable Open Architecture for Embedded Edge」(SOAFEE)に参画している。SOAFEEが目指すソフトウェア定義自動車の現在の課題とは何か。
Volkswagenの自動車ソフトウェア事業を担うCARIADは、ソフトウェア定義自動車の開発を推進するため、Armのイニシアチブ「Scalable Open Architecture for Embedded Edge」(SOAFEE)に取り組んでいる。
SOAFEEはソフトウェア定義自動車の実装をサポートするオープン標準。その狙いは、このオープンソース実装を開発して広範なプロトタイピング、ワークロードの調査、早期開発を可能にすることだ。Armによると、商用ソリューションの主要プロバイダーとも連携して新しい標準との互換性を最大限に高め、機能的に安全な設計への迅速な道筋を提示するという。
CARIADのリクレフ・シュミット=クラウゼン氏(シニアバイスプレジデント)は言う。
「ソフトウェア定義自動車は予想よりもはるかに早く実現する。これに必要なインフラは現在開発中だ。ただし、業界は幾つかの大きな課題に直面している」
「クラウドで開発したアプリケーションを異種エッジプラットフォームにシームレスにデプロイするためのクラウドネイティブなソフトウェアインフラの構築や広範なハードウェアプラットフォーム間でソフトウェアの移植性などだ」
「この新たな進化のパイオニアとして、CARIADはArmと密接に連携して技術課題を解決し、ソフトウェア定義の未来に向けて強力な基盤を築いている」
Armによると、この標準と新たな開発プラットフォームは医療、製造、物流などの分野のロボット工学にも応用できるという。自動車の場合、ソフトウェア定義の機能は消費者のニーズに応える安全で新しい車内体験と車内機能を提供する。さらに重要なのは、自動車メーカー、ソフトウェアベンダー、クラウドサービスプロバイダーに新たな収益をもたらし、顧客エンゲージメントの機会を解き放つことだとArmは言う。
ArmはADLINK Technologyと提携し、Ampere Computingの「Altra」(80のArmコアを実装したプロセッサ)を導入した。これにより、運転席、高度運転支援システム、パワートレイン、自動運転などのアプリケーション用SOAFEEレファレンスソフトウェアを使ってArmプロセッサでのワークロードの調査と開発が可能になるという。
開発プラットフォームは、ワークステーションと頑丈な車載製品で構成される。車内でプロトタイピングやテストを行うことも可能だ。
Armのチェット・バブラ氏(自動車およびIoT業務のバイスプレジデント)は次のように話す。「自動車部門は重大な転換点を迎えている。IP設計から自動車メーカーに至るサプライチェーンの再検討や定義が始まっている。業界は、ソフトウェア定義の未来についてのビジョンを加速することをArmとそのエコシステムに求めている」
「サプライチェーンにおける独特な立ち位置のおかげで、Armは自動車アプリケーションの安全性とリアルタイムのニーズに合わせて設計された標準、ソフトウェア、開発者リソース、特殊な処理プラットフォームを提供する取り組みを主導している」
このイニシアチブをサポートする企業は他にも、Amazon Web Services、Apex.AI、Continental、Green Hills Software、Linaro、Marvell Technology Group、MIH Consortium、Red Hat、SUSE、ウーブン・プラネット・ホールディングス、Zing Roboticsなどが名を連ねている。
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