「Slack」のデータをバックアップする際、外部のツールを使わなくても保存することが可能だ。Slack標準の機能を使うときの手順と注意点を紹介する。
ビジネスチャットツール「Slack」のデータを保存しておくにはどうすればいいのか。前編「消えたら困る『Slack』のメッセージやファイルを残すには?」で紹介した2つの方法を使わなくても、Slackが標準で備える機能でデータをエクスポートすることもできる。これもSlackのバックアップに有効な方法だが、制約があるので注意が必要だ。
プランによってエクスポートの手順は異なるが、基本的な手順は共通している。具体的な手順は次の通りだ。
エクスポートの処理が完了すると、ZIPファイルとしてデータをダウンロードできる。
Slackのエクスポート機能を使う場合の1つ目の制約は、データを手動でエクスポートする必要があることだ。バックアップ担当者はバックアップを作成するたびにエクスポートの処理を手動で開始するか、エクスポートの処理を自動化するスクリプトを記述しなければならない。Slackの「ビジネスプラス」を契約しているユーザー企業は、日時を指定してエクスポートを定期的に実施できる。
2つ目の制約は、Slack標準のエクスポート機能はファイルのエクスポートができないことだ。ファイルのリンクはエクスポートできるが、ファイル自体はエクスポートできない。こうした制約があるので、Slackのエクスポート機能はSlackのデータ保護を徹底したい企業にとっては最善の選択肢とは言えない。ただしSlack用の商用のバックアップツールやオープンソースのバックアップツールも完璧ではない。Slack用のバックアップツールを決める際は、そのツールが保護できるデータの種類を確認することが重要だ。
Slackからエクスポート可能なデータは、ユーザー企業が契約しているSlackのプランによって異なる。ユーザー企業のパブリックチャンネル(入退室の制限がないチャンネル)のメッセージとファイルのリンクだけは、Slackの全プランでエクスポートできる。
プライベートチャンネル(招待されたユーザー向けのチャンネル)のダイレクトメッセージとデータは、ビジネスプラスまたは「Enterprise Grid」を契約している場合にのみエクスポートできる。Enterprise Gridは、ユーザーが参加している全ての会話のデータをエクスポート可能だ。
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