コミュニケーション手段が多様化する中、企業は顧客に一貫したメッセージを届けるため、複数チャネルの使い分けが必要だ。デジタル化の進展により生まれた「民泊」など新興市場では、そうした戦略がより重要になる。
第1回「一流ブランドが実践する『マルチチャネルマーケティング』の鉄則」は、一流ブランドが実践しているマルチチャネルマーケティング戦略を紹介した。第2回以降は、マルチチャネルマーケティング戦略を採用している企業の実例を5つ紹介する。
ここ数年、短期休暇向けレンタル物件市場が、ホテルやリゾート地を上回る勢いで拡大している。オンラインレンタルマーケットプレースを通じて住宅やアパートをオーナーから借用する、いわゆる「民泊」の利用が広がっているのだ。Vrboはバケーションレンタル(貸別荘)に関しては新興企業ではない。だが顧客のニーズに基づいて進化できる一例を示している。
Vrboは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使ってメッセージやユーザーが書き込んだコンテンツを広めることで、ブランドの認知度を高め、休暇の計画を立てる人たちからの強い関心を引きつけている。同社は、SNSでのコミュニケーションを自社の企業目標やエンドユーザーのニーズに合わせることを目指しており、顧客がWebサイトやモバイルアプリケーションから旅行を予約できるようにもしている。
複数のチャネルにまたがる一貫した検索体験も可能にする。顧客が次回の旅行を調べる際、Vrboはその顧客のこれまでの検索条件に応じたターゲット広告を表示することで再度の関わりを促す。
オーナーが民泊を受け入れたら、メールでのコミュニケーションが始まる。ここではVrboは借り手の旅行計画を助け、レンタル条件に関する詳細の提示からレンタル期間へと話をつなげ、オーナーとの直接的なコミュニケーションチャネルを提供する。同社の調査、予約、旅行後のフォローアップの体験はそのまま、顧客との関わり方に関するマルチチャネルアプローチの一例となる。
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