調査会社CONTEXT WORLDは2021年9月、西欧における2021年第2四半期(2021年4〜6月)の教育用ノートPC販売台数および売上高に関するデータを発表した。西欧全体では、教育用ノートPCの売上高は前年同期比38%増となっており、教育機関からの需要が依然として高いことが分かる。
CONTEXT WORLDのシニアアナリスト、マリー・クリスティーヌ・ピゴット氏は、教育機関向けノートPCの2021年第2四半期における売上高の伸びについて、「主要教育機関との取引の多くを終えた2021年第1四半期(2021年1〜3月)に比べると低い水準だ」と指摘する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が起きる前、第2四半期は教育機関が新学期の開始に向けて新たにIT機器を設置したり、大学がハードウェアをアップグレードしたりする時期だった。
英国政府はパンデミックの期間中、学習者のオンライン教育への参加を支援するプログラム「Get Help with Technology」を実施した。その一環として政府は、合計130万台以上のノートPCやタブレットを教育機関や自治体に配布した。パンデミックの経験は、ノートPCの重要性とデジタルデバイド(情報格差)に光を当て、より多くの学習者にノートPCを届けるために政府が取り組むきっかけとなった。
ピゴット氏は教育分野におけるノートPCの需要について、パンデミックの真っただ中にあった2020年に比べると、成長が鈍化する可能性が高いと指摘する。ただし同氏は、今後もパンデミックはPCベンダーに大きな販売機会を提供し続けると予測する。
PCの中でも特にノートPCは、教育分野に限らずパンデミックの期間に飛躍的な成長を遂げた。調査会社Canalysが2021年8月に発表した西欧市場のデータによると、ノートPCの2021年第2四半期出荷台数は、ロックダウン(都市封鎖)によって消費が急増した2020年の同時期と比較しても3%成長している。
Canalysのリサーチアナリストであるチャン・ファム氏は、「堅調な出荷台数が示すように、西欧は急速にデジタル化が進む“ニューノーマル”の世界に突入している」と指摘。パンデミックに伴う部品供給の問題が解決していれば、PC市場はさらに高い成長を遂げていたと推測する。
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