ニュージーランドはマネージドネットワークサービスを教育機関に導入している。規模も、IT活用の程度も異なる複数の教育機関に、マネージドネットワークサービスの恩恵を満遍なくもたらすには何が必要なのか。
前編「ニュージーランドは『学校向けマネージドネットワーク』で多忙な教員を救う」は、ニュージーランドの教育機関が導入するマネージドネットワークサービス(ネットワークの運用管理を外部委託できるサービス)について紹介した。同国の教育省は、国営インターネットサービスプロバイダーのNetwork for Learning(N4L)が提供するマネージドネットワークサービスの導入を進めてきた。後編も引き続き、N4Lのマネージドネットワークサービスの詳細を紹介する。
2500校以上あるニュージーランドの教育機関の運営は、それぞれ独立している。そのため規模や立地、IT活用の程度、ネットワーク構成の複雑さは、教育機関によって異なる。
このような背景から「安全性の高いネットワークの設計、導入、管理、継続的な保守サポートを各教育機関のニーズに合わせて提供することが必要だ」と、N4Lの最高情報セキュリティ責任者(CISO)ギャビン・コステロ氏は語る。「これは、ニュージーランド最大のITサービスともいえるほど大きな仕事だ」(コステロ氏)
N4Lが、ニュージーランドの教育機関にマネージドネットワークサービスを提供し始めたのは2013年のことだ。これまでの経験から、教育機関へのIT導入特有のノウハウを蓄積している。それに加えて「パートナーネットワークの存在が課題解決に役立っている」とコステロ氏は話す。同氏によると、N4Lは30社以上のパートナーと提携している。ニュージーランド教育省と共同で設立した運営委員会の監督を受けながら、パートナーと共に「あらゆる問題に対処している」(同氏)という。
ニュージーランドの教育機関ではインターネットの利用が急速に広がっており、2020年の上半期と下半期を比べるとデータの消費量が32%増加した。学習者が遭遇するサイバー空間の脅威の件数も増えつつある。N4Lのレポート「Te Pūrongo Whakakitenga Data & Insights Report」によると同社は、インターネットの脅威を毎分1600件近くブロックしている。その過半数は中等教育学校(日本の中学校および高等学校に相当)での利用時に発生しているという。最も多い脅威はマルウェアや有害なWebサイトによるものだ。
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