音声によってデバイス操作ができる機能が、「Windows 11」の開発者向けバージョンに加わった。専門家は「先進的だ」とみるが、具体的に何ができるのか。
MicrosoftはOS「Windows 11」の開発者向けバージョン「Windows 11 Insider Preview Build 22538」に、音声によるデバイス操作の機能を備えた。ユーザーはキーボードやマウスを使わず、声を発してWebサイトを開いたり、アプリケーションを切り替えたりできる。同社は身体的な理由から手による操作が困難なユーザーに配慮するとともに、あらゆる現場で両手を別の作業に使うといった活用法を想定している。
2022年1月に公開したWindows 11 Insider Preview Build 22538でMicrosoftは、2021年公開の「Windows 11 Insider Preview Build 22518」で初めて備えた音声認識機能を進化させた。声だけで人名や電話番号の入力、絵文字の追加、文字列の選択といったことを可能にしたという。ユーザーは「キーボードを表示して」(Show keyboard)や「2を入力して」(Click 2)といった音声コマンドによってデバイスを操作できる。
音声認識機能は「Settings」(設定)→「Accessibility」(アクセシビリティー)→「Speech」(音声認識)から利用できる。その際、音声モデル(音声を識別するための仕組み)をインストールする必要がある。音声認識機能はデバイスがインターネットに接続されていなくても利用可能だ。
調査会社451 Researchのアナリスト、ラウル・カスタノン氏は今回の機能改善について、「文字入力にとどまらず、あらゆる操作ができる点において先進的だ」と述べる。ただし現時点では米国英語以外の音声は認識できない。Microsoftは認識可能な言語を増やすかどうか、この機能をWindows 11正式版にも採用する方針かどうかは明らかにしていない。
Microsoftは近年、音声機能の開発に注力している。例えばメールソフトウェア「Outlook」では音声によってメールを作成したり、送信先を指定してメールを送信したりできるようにした。
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