格安・極小PC「Raspberry Pi」驚きの活用方法とその真価企業でも意外と使える「Raspberry Pi」【後編】

「Raspberry Pi」をビジネスで生かそうとする取り組みが広がっている。どのような用途があるのか。こうした用途の例から見える、Raspberry Piの“本来の生かし方”とは。

2022年03月28日 05時00分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

関連キーワード

組み込み | スマートデバイス


 小型のシングルボードコンピュータ(SBC:最低限の要素から成るコンピュータ)である「Raspberry Pi」は、ディスプレイと接続するためのHDMIポートや、キーボードやマウスをつなぐためのUSBポートを備える。特殊なスクリプトを使えば「Windows」を動かすことが可能だ。「Raspberry Piを普通のコンピュータとして使って、何が楽しいのだろうか」という疑問は残るが。

Raspberry Piの理想的な用途は“ミニスパコン”?

 これまでの活用例を整理すると、Raspberry Piの用途の広さに驚く。音楽ストリーミングから電気自動車(EV)の自動充電、クラスタの運用まで、Raspberry Piはユーザーの創造力や創意工夫の意欲を刺激してきた。

 ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC:高性能計算)にRaspberry Piを導入した組織がある。2017年に米国ロスアラモス国立研究所(LANL:Los Alamos National Lab)は、750台のRaspberry Piから成るクラスタを構築。研究者がHPCアプリケーションを、実際のスーパーコンピュータに展開する前にテストできるようにした。

 オンプレミスの“ミニプライベートクラウド”としてRaspberry Piを使用し、コンテナオーケストレーターの「Kubernetes」を運用している組織もある。コンテナに対するIT担当者の理解力向上が目的だ。

 使用できるリソースが限られていることから、Raspberry Piを複雑なシステムの構築に使うことは難しい。ただし複雑なシステムのミニバージョンを構築し、テストする手段としては、Raspberry Piはうってつけだと考えられる。

 Raspberry Piは明らかに、子どもにプログラミングを教えるためだけのものではない。全てのIT担当者にとって便利で強力なツールだ。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news043.png

AppleとMetaの戦い――AR・ウェアラブル領域で、勝つのはどっち?
Metaは年次イベント「Meta Connect 2024」において最新のARグラス「Orion」のプロトタイ...

news056.jpg

2024夏アニメの人気維持率 「負けヒロインが多すぎる!」の特異な動き
ブシロードのグループ会社であるゲームビズは「アニメビジネスインサイト『データで見る2...

news063.jpg

約8割の人が経験する「見づらいホームページ」 最も多い理由は?
NEXERはくまwebと共同で「見づらいホームページ」に関するアンケートを実施した。