企業がパスワードレス認証を導入するにはさまざまな壁を乗り越える必要がある。オフィス外で働く従業員や社外スタッフに適したパスワードレス認証の手段とは。
「パスワード認証はアカウントを安全に保つ最良の方法ではない」という意見は、たいていの人の間で一致している見解だ。パスワード認証の代わりの認証手段として、企業はパスワードを使わない「パスワードレス認証」に目を向けている。調査会社Forrester Researchは2021年5〜6月、世界8カ国で企業に勤務する1万255人に対して調査を実施した。その結果、回答者の67%が「勤務先が従業員向けにパスワードレス認証を導入中だ」と答えた。
パスワードレス認証への移行は一筋縄ではいかない。「スイッチを入れれば完了」というものではない。パスワードレス認証の導入には、多大な時間やコストがかかる場合がある。企業はパスワードのいらない世界に飛び込む前に、以下の7つの課題の解決策を見つけなければならない。
パスワードレス認証を「最初から全社的に導入すればよい」と考える企業がある。従業員のさまざまな役割に応じて、適切にパスワードレス認証を実装するのは容易ではない。業務環境が複雑なほど、パスワードレス認証の実装は難しくなる。
調査会社Gartnerのアナリストであるデービッド・マーディー氏は、主にPCを使って仕事をするナレッジワーカーの場合、「スマートフォンに通知を送信する」など、モバイルデバイスを使った認証方法を提案する。だがラボやクリーンルーム、工場で働く従業員はどうだろうか。業務中に手袋をしなければならなかったり、職場にモバイルデバイスを持ち込めなかったりする場合には、モバイルデバイスを用いた認証は適切ではないとマーディー氏は指摘する。
契約業者といった社外スタッフを考慮すると、問題はさらに複雑になる。さまざまな職種や雇用形態のスタッフが関わる職場を持つ企業は、どのパスワードレス認証方法が、どのスタッフに有効かを判断しなければならない。スタッフの職種や雇用/契約形態に応じて、例えば以下の認証方法が挙げられる。
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