「5Gで製造業改革」を目指すペンシルバニア州立大学の挑戦とは?「5G」が支える大学の研究【前編】

米国の大学は「5G」を研究に生かし始めている。自動化による製造業の改革に挑むペンシルバニア州立大学の取り組みを追った。

2022年04月13日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)は、「5G」(第5世代移動通信システム)を活用した超広帯域無線通信(UWB:Ultra Wide Band)の仕組みを導入した。製造業の競争力向上を図る研究に活用する。

5Gで製造業の“あの課題”を解決へ

 UWBを使い、ペンシルバニア州立大学は製造工程の自動化を強化するための研究に取り組む。スタートアップ(創業間もない企業)や大手企業と手を組み、UWBを活用したシステムの商用化を目指す方針だ。自動化によって製造業が直面している人材不足の課題を解決し、競争力の向上につなげるのが狙いだという。同校は他にも、5Gによる高速通信を活用した、製造業における技能伝承や人材育成のためのアプリケーション開発を進めている。

 ペンシルバニア州立大学の5G導入を支援したのはVerizon Communicationsだ。ペンシルバニア州立大学でエンジニアリング専門の教授を務めるティム・シンプソン氏は「Verizon Communicationsから高度な通信技術を導入することによって、デジタルを切り口とした新たなイノベーション創出が可能になる」と述べる。

 シンプソン氏は、ペンシルバニア州立大学と3D(3次元)プリンター大手3D Systemsが共同運営する製造技術の研究施設「Center for Innovative Materials Processing through Direct Digital Deposition」(CIMP-3D)の共同ディレクターを兼務している。同氏によるとCIMP-3Dは5Gを使い、IoT(モノのインターネット)技術やAI(人工知能)技術を軸にした「インダストリー4.0」(第4次産業革命)の実現に取り組む。


 後編は、悪天候下でのドローン(小型無人飛行機)の自律飛行を目指し、Verizon Communicationsの技術を利用しているカリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の取り組みを紹介する。

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