5GはIoT分野での活用が期待されているものの、その導入は簡単な作業ではない。導入を検討するのであれば、5Gが抱える課題について詳細に検討を重ねる必要がある。
「5G」(第5世代移動体通信システム)は一見すると、個人がスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを利用する際のネットワークとして貢献しそうだ。だが5Gがここまで注目されているのは、実はIoT(モノのインターネット)を支える中核的なネットワークとしての役割を果たせるからだと考えられる。本稿は、IoTアプリケーションを構築する際に5Gを活用すべき理由と、導入時に検討すべき課題を整理する。
モバイル通信規格の標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)が策定した規格に基づくと、5Gはデバイスの多数同時接続性や、データ伝送のレイテンシ(遅延)の低さ、消費電力の低さなどさまざまな特徴を持つ。こうした特徴はIoTに必要とされるものだ。そのため5Gが普及すると新たなIoTアプリケーションが生まれると予測できる。
IoT向けで期待されるネットワークとして、LPWA(省電力広域ネットワーク)に分類される通信規格がある。例えば「eMTC」(enhanced Machine Type Communication)や「NB-IoT」(Narrowband IoT)などだ。これらは5Gと同様、3GPPが策定した。eMTC、NB-IoTの2つの通信規格は、デバイスが密集した場所でも利用できることに加え、電力消費量が非常に低いという特性を持っている。利用する条件によっては10年以上にわたってデバイスのバッテリーが駆動することも可能だ。
これらのIoT向けの通信規格として5Gが加われば、実現可能なIoTアプリケーションの種類は格段に増えるだろう。通信用の半導体を製造するQualcommは、5Gの普及によってIoTアプリケーションが大幅に進化するだろうと期待している。同社が公表しているロードマップによれば、5Gによって下記のようなIoT分野における改善が見込める。
これらはいずれも、IT管理者が数年前に5Gに対して抱いていた期待を上回るものだろう。
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