「使い方が分からないWeb会議用機器」が会議室に現れたら危険信号これからの「Web会議」運用のいろは【第2回】

オフィスの会議室に新しいWeb会議用機器を導入しても、操作や設定が難しいと社内普及は進まない。オフィスワーカーもテレワーカーも平等にWeb会議を利用できるよう、運用管理で気を付けるポイントは。

2022年05月10日 08時15分 公開
[Katherine FinnellTechTarget]

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Web会議 | 在宅勤務


 第1回「会議室のリニューアル前に『なぜ会議室が必要か』を議論すべき理由」に続き、第2回となる本稿も、2022年3月開催のコミュニケーションツール関連イベント「Enterprise Connect」の講演内容を基に、Web会議用機器の運用管理のポイントを解説する。オフィスワーカーとテレワーカーのどちらにとっても公平なWeb会議の環境を整えるに当たって「Web会議用機器の運用と管理の簡便さ」が重要な理由は。

「シンプルにWeb会議ができる」ことの価値

 テレワーカーとオフィスワーカーの双方にとって公平なWeb会議を実現するには、会議室のレイアウト変更だけでなく、ユーザー体験(UX)の向上も必要になる。

 Zoom Video Communicationsのプラットフォーム&プロダクションアクセラレーション統括を務めるグレーム・ゲッディーズ氏は、会議室用のWeb会議用機器を導入する場合は最新の機能ではなく、使いやすさに重点を置くべきだと主張。「『機器を導入したのに従業員がその使い方を知らない』という成果は最も望ましくない」と話す。Web会議に参加しやすい、簡単にコンテンツを共有できる、動画機能が使いやすい、といった一貫性のあるUXを用意できれば、Web会議への従業員の参加意欲を高めやすくなり、ツールの活用も進む。

 調査会社Recon Researchの創業者アイラ・ウェインステイン氏は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以前、われわれのWeb会議体験は許容範囲だと思っていた」と当時を振り返る。その後、Web会議ツール関連の技術改良が進んだことで、Web会議で満足な体験を得るための要件は「安定した通信」だけにとどまらなくなった。

 テレワーカーとオフィスワーカーの双方にとって、いつでも公平な状態でWeb会議を実施できるようにするには、IT運用管理の改善も重要になる。テレワーカーが使うデバイスに関しては特にそうだ。

 Web会議用機器ベンダーLogitech Internationalで、グローバルカンファレンシング・ビジネスストラテジー担当ディレクターを務めるネーサン・クーティンホ氏は「テレワーカーに支給するWebカメラやヘッドセットといったデバイスの管理が複雑なことについて、企業から不満の声が上がっている」と話す。これを受けてLogitech Internationalは、管理システムから個人用デバイスも管理できるように機能を拡張し、従業員が自宅で利用するWebカメラやヘッドセットのファームウェアや設定を、IT部門も管理できるようにした。


 オフィスワーカーとテレワーカーの両方が平等な条件でWeb会議をするためには、「Web会議での音声」を聞き取りやすくする必要がある。第3回は、このようなニーズを踏まえて関連ベンダーが市場に投入している技術トレンドを解説する。

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