アナリティクスの高度化を進める上で必要なのは、AI技術や自動化技術だけではない。両者ほどの派手さはなくても、それらと同等か、それ以上に重要な要素がある。それは「データ品質」「データガバナンス」だ。
調査会社Business Application Research Center(BARC)のカーステン・バンゲ氏によれば、人工知能(AI)技術と自動化技術の組み合わせが2022年のアナリティクスのトレンドになるのは、機能の実験が済み、開発成果を運用に移す準備が整ったためだ。「多くの企業が『試験段階は終わった』と発言を変えている」とバンゲ氏は語る。「いよいよ実際のビジネス価値を生み出すために、AI技術と自動化技術を運用段階に持ち込む段階に来た。これは大きなチャレンジだ。小さな変化ではない」(同氏)
AI技術と自動化技術によって洞察を生み出す以外にも、見過ごすべきでないトレンドがある。特に重要なのは、データ品質とデータガバナンスだ。どちらの概念も、それを可能にする技術も、AI技術や自動化技術ほど画期的ではない。だが、どちらも等しく重要だ。事実、優れたデータ品質と強力なデータガバナンスが実現できなければ、AI技術や自動化技術によって生み出される洞察も完全には信頼できなくなる可能性がある。
バンゲ氏は「データ品質を話題にしたいと考える人はいないだろう」と前置きしつつ、「それでもデータを扱う全ての人にとってデータの品質は最大の問題だ」と強調する。「もはや一刻の猶予もない。適切なデータ品質向上の手段を持たなければ、競争力が失われ始める」というのが、同氏の考えだ。
データガバナンスはデータ品質と密接に関連している。その重要性は依然としてアナリティクスの大きなトレンドだと調査会社Ventana Researchのアナリストであるマット・アスレット氏は指摘。「データガバナンスによって、データ分析の改善と速度向上が実現する」と説明する。「適切なデータを適切な人に適切なタイミングで提供し、実際にプロジェクトの前進速度を上げる。そのために必要なのがデータガバナンスだ」(アスレット氏)
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