“使えないJavaライブラリ”かどうかは「ドキュメント」で分かるJavaライブラリ選択時の7大ポイント【第2回】

Javaアプリケーションの開発において、自社の開発プロジェクトに合うライブラリを選ぶには何に気を付ければよいのか。ドキュメントやライセンスのどこに着目すべきかを解説する。

2022年06月30日 08時15分 公開
[Joseph B. OttingerTechTarget]

 プログラミング言語および開発・実行環境「Java」でアプリケーションを開発する際、開発者は要件に応じたライブラリ(プログラム部品群)を選ぶことが重要だ。ライブラリ選定時の主要な7つの考慮点のうち、本稿は2つ目と3つ目を取り上げる。

考慮点2.その「ドキュメント」のリッチさは“機能通り”か

 ライブラリの仕様を記したドキュメントの質は、ライブラリ選定時の2つ目のポイントになる。ドキュメントの適切な詳細さは、ライブラリの機能の複雑さによって異なる。例えば「tomorrow」という文字列を日付に変換するといった比較的単純な機能のライブラリの場合、「ライブラリのインストール方法はこちら」以上のことは書かれていない可能性がある。他方でVMwareの「Spring Data」など、データアクセスに関する機能を実装するといった比較的複雑なライブラリには、書籍レベルの詳細なマニュアルが必要になることがある。

 開発者がライブラリを選定する際は、ライブラリのドキュメントがどのように、誰のために書かれているのかを考えるべきだ。ライブラリの開発者を対象とし、ライブラリやデータの構造の説明に重点を置いているドキュメントもある。だが一般的な開発者が恐らく知りたいのはライブラリの使い方であり、開発方法ではない。もし、そのライブラリが簡単に使えないのであれば、開発者は自分の考え方に合う別のライブラリを探す方が賢明だ。

考慮点3.その「ライセンス」は許容できるか

 3つ目の考慮点は、ライブラリのライセンスだ。「良い」ライセンスの単純な基準は存在しない。オープンソースのライセンスの中には、一般的に「良い」と言われているものもあるが、それが開発者の要件を満たすとは限らない。ライブラリのライセンスが自分や自分の会社にとって受け入れられない要件ならば、法務担当者に相談すべきだ。

 一般的に、広い用法を許容する寛容なライセンスは

  • Apache License, Version 2.0
  • Berkeley Software Distribution License(BSD License)
  • MIT License

だ。主要なオープンソースライセンスGPL(General Public License)の一部条件を緩和したLGPL(Lesser General Public License)のライブラリも、「ダイナミックリンク」で呼び出す場合は自由に使うことができる。ダイナミックリンクは、アプリケーション実行時にライブラリなどの外部プログラムを呼び出す手法だ。だが経験上、法務担当にGPLの話をすると嫌がられる。GPLのライブラリを使って開発したアプリケーションにも、強制的にGPLを適用しなければならず(いわゆる「GPL汚染」)、ライセンスの選択肢がなくなるためだ。

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