Javaアプリケーションの開発において、自社の開発プロジェクトに合うライブラリを選ぶには何に気を付ければよいのか。ドキュメントやライセンスのどこに着目すべきかを解説する。
プログラミング言語および開発・実行環境「Java」でアプリケーションを開発する際、開発者は要件に応じたライブラリ(プログラム部品群)を選ぶことが重要だ。ライブラリ選定時の主要な7つの考慮点のうち、本稿は2つ目と3つ目を取り上げる。
ライブラリの仕様を記したドキュメントの質は、ライブラリ選定時の2つ目のポイントになる。ドキュメントの適切な詳細さは、ライブラリの機能の複雑さによって異なる。例えば「tomorrow」という文字列を日付に変換するといった比較的単純な機能のライブラリの場合、「ライブラリのインストール方法はこちら」以上のことは書かれていない可能性がある。他方でVMwareの「Spring Data」など、データアクセスに関する機能を実装するといった比較的複雑なライブラリには、書籍レベルの詳細なマニュアルが必要になることがある。
開発者がライブラリを選定する際は、ライブラリのドキュメントがどのように、誰のために書かれているのかを考えるべきだ。ライブラリの開発者を対象とし、ライブラリやデータの構造の説明に重点を置いているドキュメントもある。だが一般的な開発者が恐らく知りたいのはライブラリの使い方であり、開発方法ではない。もし、そのライブラリが簡単に使えないのであれば、開発者は自分の考え方に合う別のライブラリを探す方が賢明だ。
3つ目の考慮点は、ライブラリのライセンスだ。「良い」ライセンスの単純な基準は存在しない。オープンソースのライセンスの中には、一般的に「良い」と言われているものもあるが、それが開発者の要件を満たすとは限らない。ライブラリのライセンスが自分や自分の会社にとって受け入れられない要件ならば、法務担当者に相談すべきだ。
一般的に、広い用法を許容する寛容なライセンスは
だ。主要なオープンソースライセンスGPL(General Public License)の一部条件を緩和したLGPL(Lesser General Public License)のライブラリも、「ダイナミックリンク」で呼び出す場合は自由に使うことができる。ダイナミックリンクは、アプリケーション実行時にライブラリなどの外部プログラムを呼び出す手法だ。だが経験上、法務担当にGPLの話をすると嫌がられる。GPLのライブラリを使って開発したアプリケーションにも、強制的にGPLを適用しなければならず(いわゆる「GPL汚染」)、ライセンスの選択肢がなくなるためだ。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ノーコード開発ツールの利用が広がっているが、プログラミング言語の知識が必要になるケースも多く、現場の担当者が使いこなすのは難しかった。そこで見た目はExcelのままで業務アプリケーションを作成できるツールが注目されている。
生産性向上が重要視される今、エンジニア組織の開発生産性を高めるために、どのような取り組みを進めればよいのか分からないという声も多い。そこで社内報CMSの開発・運用を手掛けるourlyなど、3社の事例からそのヒントを紹介する。
近年の製造業ではスマートファクトリー化やDXが進み、データ活用の重要性が高まっているが、人材・予算の限られた中堅・中小企業では全社的な展開は難しい。このような問題を解消できる専用ツールについて、導入事例を交えて紹介する。
東レグループ全体でNotesからの脱却が進められたため、移行に向けたプロジェクトを開始した東レ・メディカル。約600のNotesアプリケーションを稼働させていたという同社は、どのようにプロジェクトを成功させたのだろうか。
システムの老朽化が課題となっていたエクシオグループでは、パッケージ製品やローコード開発プラットフォームを使ったERPフロントの刷新を進め、ビジネス変化への対応力を高めたシステムを実現している。同社の取り組みを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...