英国政府は旧式の通信インフラを利用する農村部の学校に、高速で信頼性の高いインターネット回線を提供する取り組みを始めている。単に「ブロードバンド化」するだけでは終わらない、その取り組みの狙いは。
英国の農村部はブロードバンド(広帯域幅のデータ伝送)化が進まず、そうした地域の学校はいまだに銅線の電話回線をインターネット接続に利用している。2022年7月、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)と教育省は、学校のインターネット接続を改善するため、合計で8200万ポンド(約133億万円)の出資を発表した。2025年までに最大3000校、約50万人の小学生がギガビット級ブロードバンドを活用して授業を受けられるようにする。英国はなぜこの取り組みに力を入れるのか。
ギガビット級ブロードバンドを使うことで、学校で複数のクラスが同時にインターネットを使用しても接続は途切れにくくなる。DCMSは「GigaHubs」というプログラムを通して、最大2000校の学校にブロードバンド化のための出資をする。このプログラムは、英国政府による通信インフラ整備の取り組み「Project Gigabit」の一環だ。GigaHubsは村落部における学校の他、病院や図書館などを含む最大7000カ所の公共施設を対象としている。
教育省は最大1000校にブロードバンド化のための資金を提供する。その他、ブロードバンド化の利点を最大限引き出すべく、学校の無線LANネットワーク刷新を支援する試験的プロジェクト「Connect the Classroom」に3000万ポンド(約49億万円)を出資する。
Connect the Classroomで目指すのは、学校が利用する技術の強化だ。生徒は高速無線LANとクラウドサービスを利用し、ビデオ通話で世界中の国の生徒や専門家とつながることが可能となる。英国政府は同プロジェクトへの出資を、「Priority Education Investment Area」(教育による成果が向上しておらず、サポートの対象となる英国の24地域)において進めている。
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