双生児研究で知られる東京大学教育学部附属中等教育学校が、マークシート形式のテストを自動採点できるシステムを導入した。同校教諭の對比地 覚氏に、その選定理由や導入効果を聞いた。
旧制東京高等学校尋常科を前身として1948年に発足した、東京大学教育学部附属中等教育学校(東京都中野区)。中高一貫教育の実践にとどまらず、双生児を生徒として数多く入学させ、双生児の学力や心身の発育などに関する研究に取り組むなど、ユニークな教育を実践してきた。現在は主体的な探究活動を意味する「ディープアクティブラーニング」と呼ぶ取り組みを推進している。
東大附属では国語、理科、英語といった一部教科で、校内テストの採点や集計、帳票出力をITの力で効率化している。そこで活用しているのは、スキャナー関連製品を手掛けるスキャネットのマークシート「スキャネットシート」と、同社の採点支援ソフトウェアだ。その導入や製品選定の理由とは何か。導入効果はどのようなものなのか。同校の校内IT活用を推進する、理科教諭の對比地(ついひじ) 覚(さとる)氏に話を聞いた。
東大附属が利用しているスキャネットの採点支援ソフトウェアは、大学入試センター試験対策を想定した「らく点マークくん3Lite」と、マークシートに加えて記述式テストの採点支援機能を持つ「デジらく採点」だ。對比地氏は主に、らく点マークくん3Liteを活用。担当する4年生と6年生(それぞれ高校1年生、3年生に相当)の理科における大学入試対策の一環として、授業中の小テストという形で、マークシート形式のテストを実施している。
對比地氏は大学入試センター試験を模したスキャネットシートの「センター模擬シート」を用いて、本番さながらの模擬試験を実現できるようにした。センター模試シートの読み取りには、市販の汎用(はんよう)スキャナーを活用。らく点マークくん3Liteは事前登録した正答と照らし合わせて、読み取った解答を自動採点し、個人成績表をはじめとする帳票を出力する。
東大附属では現在、40人いる教員の約1割に当たる5人程度の教員が、スキャネット製品を利用している。對比地氏のように、大学入試を想定したマークシート形式のテストでの利用に力点を置く教員もいれば、「テストの採点作業を効率化できる」という理由から利用を開始した教員や、前期課程(中学校に相当)のクラスに活用している教員もいると、同氏は説明する。
「生徒にマークシート形式の解答に慣れてもらいたかった」。對比地氏はスキャネット製品の導入理由を、こう説明する。
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