世界のPC出荷台数は減少に転じ、パンデミックが生み出したPC特需は終わりを迎えた。その背景には景気後退があることは確かだ。だが原因はそれだけではない。
世界のPC出荷台数が急速に減少している。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によるテレワークの普及がもたらしたPC販売の活性化に、終止符が打たれたことを示していると、調査会社IDCは捉えている。PC市場落ち込みの理由は、実は単純ではない。
2022年7月にIDCが発表した調査報告によると、2022年第2四半期(4月〜6月)のPC(デスクトップ、ノートPC、ワークステーション)の出荷台数は7130万台となり、前年同期の8420万台から15.3%減となった。部品供給不足と「“コロナ特需”の終わり」(同社アナリスト、ジテシュ・ウブラニ氏)が響いた。
IDCによれば、2022年第2四半期のPC出荷台数は、7期ぶりに8000万台を割った。ウブラニ氏は「景気後退を懸念して、企業も一般消費者も出費を抑えている」と、PC需要の減少の背景を分析している。ただしPC出荷台数はパンデミック前と比べれば、高水準を維持している。2019年第2四半期は6510万台だった。
調査会社Gartnerのアナリスト北川 美佳子氏は、景気後退への懸念に加え、PC需要が飽和状態にあることも出荷台数減少の一因だと指摘する。従業員のテレワークを可能にするために企業が一斉にノートPCを購入した結果、当面の間は買い替え需要が発生しないとの見方だ。北川氏は、次に買い替えが始まるのは2024年だと見込む。
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