クラウドストレージの無駄に切り込む【第2回】
「クラウドコスト」を予測したくてもできない残念な事情
クラウドサービスを利用する際、料金のコントロールがユーザー企業にとっての課題の一つになりがちだ。適切に管理できなければ、想定外のコストを招く。そうなってしまう背景を解説する。
クラウドストレージなどの各種サービスを手掛ける大手クラウドベンダーは、ユーザー企業を囲い込むために独自技術を使用する傾向がある。ユーザー企業は特定のクラウドベンダーの独自技術を使うと、他のクラウドサービスへのシステム移行がしにくくなる。その半面、クラウドサービスは簡単に利用開始できる。つまり始めやすく、やめにくい特性がある。この点は、派生してコストの予測しにくさにつながる。どういうことなのかを解説しよう。
「クラウドコスト」の予測はなぜ難しい? 背景にある残念な事情とは
併せて読みたいお薦め記事
連載:クラウドストレージの無駄に切り込む
「脱クラウド」にも注目
ユーザー企業は特定のクラウドベンダーの独自技術に依存すると、不利な立場に置かれる可能性がある。他のクラウドサービスへの移行が簡単ではないため、乗り換えをちらつかせて契約条件を交渉し、利用料金の低減を図ることが難しくなるからだ。
各クラウドベンダーは、システム設計において異なるベストプラクティスを持っている。ユーザー企業がそのベストプラクティスを採用すると、クラウドサービス間の移行や、複数のクラウドサービスを連携させることが難しくなる場合がある。それによって利用料金の交渉は一段と難しくなる。
クラウドサービスの利用開始が容易である、という特性によって、利用料金のコントロールは一段と難しくなる。ユーザー企業内の各組織はそれぞれ容易にクラウドサービスを契約できるため、IT部門が一元的に利用料金をコントロールするのは困難だ。
「クラウドサービスの導入が分散的に進む場合、ユーザー企業にとって重要になるのは利用状況の可視化だ」と、データ管理ツールベンダーCriblのディレクター、ニック・ヒューデッカー氏は語る。利用するクラウドサービスが分散すると、請求書を理解することが難しくなるとヒューデッカー氏は指摘する。
料金設定そのものにも問題がある。クラウドサービスの料金最適化サービスを手掛けるArchera.aiのCEO、アラン・カンナ氏は、クラウドサービスの料金設定は透明性が高いとは言い難いと指摘する。カンナ氏によると、「Amazon Web Services」(AWS)の料金設定はテキスト形式でダウンロードすることができるが、そのデータ量は膨大で、「Microsoft Azure」の料金表と比較することは簡単ではない。「大企業のクラウドサービス管理チームに、3、4人のデータサイエンティストがいるのはこのためだ。もはや表計算ソフトウェアの仕事ではない」(同氏)
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
8
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
9
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
10
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー