何かを終わらせることは、必ずしも悪いことではない。Amazon.comが法人向け医療サービス「Amazon Care」を2022年末に終了することに対して、専門家は同社の経営判断を肯定的に解釈しているという。その理由は。
Amazon.comは2022年12月、法人向け医療サービス「Amazon Care」を終了する。一見、同社が医療分野における取り組みを後退させるかのような動きだが、アナリストの見方は逆だ。
調査会社Forrester Researchでリサーチディレクターを務めるナタリー・シベル氏は、「ビジネスがうまくいかないときにAmazon.comは、一度立ち止まって課題を整理し、何をよりよくできるかを考えられる」と、今回のAmazon.comの決断を評価。ベストではないプロジェクトを終了させて、態勢を再構築する――。Amazon Careを終了するというAmazon.comの決断は、それに当てはまるとシベル氏は指摘する。
Amazon.comは"絶好の機会”を手にしている。同社は2022年7月、プライマリーケア(初期診療)のサービスを全米展開する1Life Healthcare(One Medicalの名称で事業展開)の買収を発表した。2022年8月には、在宅健康診断をはじめとする医療サービスを提供するSignify Healthの売却案件に入札したことも報じられている。こうした取り組みから、Amazon.comが法人向け医療サービスから一般消費者向け医療サービスへの方針転換を検討していることが伺える。
シベル氏は、Amazon.comが現在のAmazon Careよりもはるかに大きなプロジェクトに向けて準備していると考えている。「Amazon.comにとって、法人向け医療サービス市場は小さ過ぎた」と同氏は指摘。そこで同社は一般消費者へのプライマリーケアサービスを立ち上げようとしていると同氏はみる。
中編は、「Amazon.comが医療分野から撤退する可能性は低い」とアナリストが考察する理由を紹介する。
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