Microsoftの仮想マシンサービス「Azure VM」には、幾つかの料金プランがある。そのうち「従量課金制」と「Azure Reserved VM Instances」の違いと注意点、適した用途を説明する。
Microsoftは同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」の仮想マシン(VM)サービスとして、「Virtual Machines」(以下、Azure VM)を提供している。Azure VMは幾つかの料金プランを用意している。本稿はAzure VMの料金プランのうち「従量課金制」(Pay as you go)と「Azure Reserved Virtual Machine Instances」(Azure Reserved VM Instances)を詳しく説明する。
従量課金制は最も単純な料金プランだ。ユーザー企業はインスタンス(仮想サーバ)の利用量に応じて利用料金を支払い、あらかじめインスタンスの利用期間を設定する必要はない。ただし従量課金制は、他の料金プランよりも利用料金が高くなる傾向がある。
利用量の予想がしにくいワークロード(アプリケーション)に、従量課金制は適している。本番環境に導入したのが最近であり、どの程度の要求を受け取るのかがまだ分からないアプリケーションがその一例だ。
従量課金制では、例えばAzure VMのインスタンスタイプ「D2as v4」をAzureの東日本リージョン(Japan East)で利用すると、利用料金は1カ月当たり90.52ドルから、1時間当たり0.124ドルからになる。
Azure Reserved VM Instancesは、VMの利用期間に合わせて料金を前払いする料金プランだ。1年または3年分の利用料金を前払いすることで割引を受けられる。Azure Reserved VM Instancesで節約できる金額は、選んだインスタンスタイプに応じて変わる。一般的に1年のAzure Reserved VM Instancesでは約40%、3年のAzure Reserved VM Instancesでは約60%の節約になる。
例えば前述のD2as v4インスタンスを1年間のAzure Reserved VM Instancesで利用すると、利用料金は1カ月当たり67.671ドルから、1時間当たり0.0927ドルからになる。
Azure Reserved VM InstancesはAzureの管理コンソール「Microsoft Azure portal」からキャンセルできる。キャンセルすると、Microsoftは未使用時間分を返金する。ただしほとんどの場合、その返金額からキャンセル手数料を差し引く。そのためインスタンスの利用期間と利用容量が確約できる場合に限り、Azure Reserved VM Instancesを選ぶのがよい。Azure Reserved VM Instancesはインスタンスの利用規模が大幅に変動する可能性の低い基幹業務アプリケーションなど、需要が予測可能なワークロードに最適だ。
後編はAzure VMの料金プランのうち、「Azure Spot Virtual Machines」(Spot VM)を紹介する。
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