割引プランの「リザーブドインスタンス」「スポットインスタンス」を使うと、クラウドサービスの利用料金を節約できる。これらの割引プランの仕組みと、利用時の注意点を説明する。
IaaS(Infrastructure as a Service)などのクラウドサービスは、ユーザー企業にインフラの拡張性やシステム開発期間の短縮などのメリットをもたらす。ただしクラウドサービスは、コストを管理できなければ利用を持続できなくなり、“クラウド破産”を招く可能性がある。企業はクラウドサービスを利用する前に、各クラウドサービスのコストを入念に評価しなければならない。
リソースの使い過ぎやインフラ利用量の不正確な見積もりなど、クラウドコストが跳ね上がる要因は複数ある。クラウドベンダーは、不要な支出の削減に役立つツールやコストを最適化するための方法を提供している。
クラウドサービスのコスト要因を見直し、コストを抑えるための主要なポイントは7つある。それぞれを詳しく説明しよう。
クラウドサービスのコストを抑える手段として、クラウドベンダーが提供する割引プランの利用がある。ただしこれらの割引プランには、幾つかの制限事項があることが一般的だ。代表的な割引プランとして、仮想マシン(VM)サービスの「リザーブドインスタンス」「スポットインスタンス」を説明する。
1~3年の期間に一定の容量を継続利用することを前提に、VMの利用料金を割り引くのがリザーブドインスタンスだ。リザーブドインスタンスは、必要なリソース容量が予測しやすいワークロード(アプリケーション)での利用に適している。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft、Googleは、自社のVMサービスでリザーブドインスタンスを提供している。代表的なリザーブドインスタンスには以下がある。
Amazon EC2 RIsの場合、ユーザー企業はリージョン(地域データセンター群)やVMの種類を指定して事前購入する。AWSはその他、リージョンやVMの種類を指定せず事前購入できる「Savings Plans」も用意している。
アイドル(休止)状態のVMを利用することを前提に、VMの利用料金を大幅に割り引くのがスポットインスタンスだ。クラウドサービスの需要は常に変化している。VMの需要が増加すると、スポットインスタンスで契約したVMは突然停止することがある。そのためステートレスな(過去の処理状態を引き継がない)ワークロードなど、作業が中断しても問題がない用途に適した選択肢だ。
AWS、Microsoft、Googleはそれぞれ、以下の名称でスポットインスタンスを提供している。
スポットインスタンスに適用される割引率は、契約するVMのスペックによって異なる。
第2回は、2つ目のポイントを紹介する。
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